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ファーウェイは顧客データに触れない――郭平輪番CEOが明かすクラウド戦略の全貌

 2017年9月5日~8日、上海にて、ファーウェイ社の旗艦イベント「Huawei Connect 2017」が開催された。本イベントは150以上の国や地域から、2万人以上の参加者が訪問する。一企業が開催するイベントしてはアジア圏で最大級のイベントとなる。ファーウェイのこれから一年の方向性が示されるHuawei Connect 2017では、同社の注力領域「クラウド分野」について戦略と実績が語られた。

 日本ではファーウェイと言っても、まだ認知度が高いとは言えないため、少しファーウェイについて補足しておこう。ファーウェイ社の2016年度の決算は、売上高は約8兆7,316億円、純利益は約6,211億円という状況となっており、事業の約6割が通信事業者向けネットワーク事業、約3割がスマートフォン等のコンシューマ向け端末事業、残り1割が法人向けICTソリューション事業で構成されている。同社のソリューションは主に通信キャリア向けのビジネスが大半を占めており、ファーウェイのサービスは間接的に35億人の「ユーザが繋がる」ことに利用されている。

Huawei Connect 2017

 IoTの分野でも成功を収めており、スマートシティソリューションを世界40ヶ国100都市に展開し、スマートグリッドにおいても65ヶ国170以上の事業者に同社の技術が採用されている。アジアを代表するグローバルICTカンパニーであり、モバイル領域では最も影響力のある企業の1つであるため、同社のイベントには世界中のメディアが参加する。なお、本イベントでは世界27ヶ国230人の記者が参加していた。これほど世界各国から注目を集めることが出来るメーカは世界でも数える程しか無いだろう。

 ファーウェイのこれから一年の方向性が示されるHuawei Connect 2017では、同社の注力領域「クラウド分野」について戦略と実績が語られた。

世界5大クラウドになることを宣言

 初日の基調講演ではファーウェイ 取締役副会長兼輪番CEO 郭平(グォ・ピン)氏から、「Grow with the Cloud:Enabling an Intelligent World」と題して、同社のクラウド戦略全般が語られた。

 郭氏は、トーマス・J・ワトソン氏が1943年に語ったとされる「恐らく世界中のコンピュータ市場の規模は、5台だろう」という言葉を引用し、「この予言は現実のものとならなかったが、クラウドの世界では本当になるかもしれない。世界のパブリック・クラウドは五つに集約され、我々はその1つになる」と宣言した。

ファーウェイ 取締役副会長兼輪番CEO 郭平(グォ・ピン)氏

ファーウェイ 取締役副会長兼輪番CEO 郭平氏

 「こういった宣言に対して、世界は誰も本気にしないかもしれないが、1994年、レン・ツェンフェイによってファーウェイが設立された当初、"世界の通信業界において我々が重要な役割を持つ"と話しても誰も耳を貸さなかったが、今では通信業界において様々な革新をもたらしている」と続けた。

 とはいえ、パブリッククラウド市場は上位ベンダーへの集中が進んでおり、ガートナーが「2019年にはネイティブクラウドのIaaS事業者の90%が市場から追い出される」とのレポートを発表するほど厳しい市場だ。かつ、同社の主要な収益源はスマートフォン等のコンシューマ事業と、ネットワーク機器の法人事業が大半である。一見すると無謀な挑戦のようにも見えるが、ファーウェイがどこまでクラウド事業に本気なのか?この市場の疑問に応えるため、ファーウェイは今年3月にクラウドBUを起ち上げ、既に2,000名を超える体制を構築し、パブリッククラウドの拡販を推進していることを明らかにした。

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クラウドアライアンスの設立

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この記事の著者

大元 隆志(おおもと たかし)

ITビジネスアナリスト/顧客視点アドバイザー 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、 技術者、経営層、顧客の3つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。講談社 現代ビジネス、翔泳社EnterpriseZine、ITmediaマーケティング等IT系メディアで多くの記事を執筆。所有資格:米国PMI認定 PMP、MCPC認定シニアモバイルシステムコンサル...

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