データベース・システムの24時間稼働が求められる時代で「コールド・バックアップ」を取得できるケースは少なくなっていると思います。本日のテーマはどのようにして復旧時に確実に使える「オンライン・バックアップ」を取得するかについてです。
意外と多い?「使えない」オンライン・バックアップ
みなさん意外に思うかもしれませんが、いざという場面でバックアップを使ってリストア・リカバリを実施してデータベースのオープンを試みると、図1のようなメッセージでオープンできないというケースを残念ながらたまに見かけます。エラーの原因はリカバリに必要なREDOログが足りないためです。

この障害復旧ケースをもとにオンライン・バックアップの生命線は「REDOログ」であるという点についてこれから紹介したいと思います。
全てのデータファイル、オンラインREDOログファイルを消失するような障害発生後に、取得済みのオンライン・バックアップからデータベースを復旧するケースでは、データファイルをバックアップからリストアしたあと、アーカイブREDOログファイルを使ったメディア・リカバリによってすべてのデータファイルで一貫性のとれたポイントを確保する必要があります。先ほどのエラーケースでは、そのメディア・リカバリを行うために必要なREDOログが足りないため一貫性のとれたポイントを確保できずオープンできないのです(図2)。

リカバリに必要なREDOログが足りない理由についてはさまざまで、誤って消してしまった場合や、バックアップ用ストレージの管理者が消してしまった場合、もともとデータファイルのバックアップを取得する際にアーカイブREDOログファイルのバックアップを含められていない場合があります。
こうしたケースの復旧は一苦労です。まず、データファイルをバックアップからリストアした状態で、データベースを一貫性のとれていないポイントで一旦強制的にRESETLOGS OPENし、必要なデータを論理的に抽出します。その後、抽出した論理バックアップからデータを新しく再作成したデータベースにインポートし、足りないデータについてはアプリから再投入するかあきらめるという復旧方法を取ることになります。
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佐々木亨(ササキトオル)
日本オラクル株式会社 日本オラクル入社から一貫してOracle Databaseの持つ高可用性分野のスペシャリストとして活動。Mission Critical Certified CenterやOracle GRID Centerといったパートナー企業との共同検証の経験を通じて今の土台を築き、現在は...
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