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日本企業の進化に欠かせない「21世紀のプロフェッショナル・リーダー論」

前回、日本企業の進化に欠かせない“4つの成功の鍵”を解説しました。今回は、企業変革を成功に導くための現代に適した“21世紀のプロフェッショナル・リーダー論”を解説して、連載の最終回として総括していきます。

21世紀のリーダー人材の要件

 前回解説した“4つの成功の鍵(KSF)”のように、戦略と実行をセットで試行錯誤しながらPDCAを回していく、というのは会社の仕組みがあれば自ずと出来るものではありません。試行錯誤を繰り返しながら変革を牽引していく「チェンジ・リーダー」がいなければ、こうした変革が自然発生的に生まれる、ということはないのです。

 「チェンジ・リーダー」というのは大変なものです。先述のとおり成功に至るまでに、必ず何度も失敗しなければなりません。その過程で、必ず後ろ指は指されるし、抵抗勢力になり揚げ足を取る人も出てきます。それでも、それらを乗り越えて、成功に至るまで試行錯誤を繰り返さないといけないのです。

 こうした変革を牽引できるリーダーが多い会社は環境変化に強いですし、会社そのものも打たれ強いです。先の見えない現代において企業の要ともなる、こうしたリーダーはどのような人たちなのでしょうか。

 「21世紀のリーダー人材」の要件は5つあると思います。

「リスクをとれるタフなマインドセット」

  1つ目は、「リスクをとれるタフなマインドセット」です。何度も申し上げたとおり、今のような経済環境では不変の模範解答など、どこにもないので、失敗を繰り返しながら、より「答らしきもの」に近づいていくしかありません。その過程で諦めたりめげたりしそうになりますが、それに負けない、失敗にめげない胆力ということです。「知的根性」と言ってもいいかも知れません。

「スピーディにPDCAを回していけること」

 2つ目は、「スピーディにPDCAを回していけること」です。より速くPDCAを回すということは何度も申上げましたが、それを組織としてではなく、個人としても出来るということです。これが出来るためには、自分の考えに拘泥しない「客観性」「ニュートラルさ」と、失敗を早々に認められる「素直さ」が必要です。自分の考えを強く持っているんだけども、客観性と素直さも併せ持ち、自分の考えや仮説が間違っていると思ったら、早々にそれを否定し、客観的に失敗分析とその対策の検討に移れる、そういう懐の深さや人間性が必要です。

「論理的な問題解決力」

 3つ目は、「論理的な問題解決力」です。思い込みや感情論では、PDCAを回して成功まで辿り着けないので、論理的思考力・問題解決力が必要です。

 さらに、いくら普段は論理的な問題解決力があっても、感情によってその力が大きくブレるとしたら使い物にはなりません。日本ではビジネスシーンで接する方々の多くが紳士的・淑女的ですが、そうではない交渉などの場面や非紳士的な方々に出くわすこともあるからです。海外市場になると、そのリスクはもっと増大します。

 したがって、どのような状況でも、自分のハートは熱く、頭はクールで対処できるように常日頃から訓練しておく必要があります。

「実行力」

 4つ目は、「実行力」です。オペレーション力と持続的な情熱、といっても良いかも知れません。

 変革の牽引においては、オペレーションを粛々と回せばよい、ということはありません。さまざまなハードルが立ち塞がってきます。それを問題解決しながら、一つ一つ前に進めていくのです。それを成果が出るまで続けるのは大変な労力を必要とします。しかし、その労力をこなし続けて成果に至れるとしたら、それをドライブできるのは情熱です。尽きることのない情熱です。

 平穏無事な実行はさておき、波乱万丈の実行を成し遂げるには情熱が必要です。それは故・松下幸之助氏や稲盛さんや永守さんなどの名経営者が口をそろえて指摘する点です。

「人間力」

 最後の5つ目は、「人間力」です。論理的問題解決力と矛盾するようですが、一人では何もできないので、人間力は絶対に欠かせません。

 今までの予定調和・ウォーターフォールの時代なら、大企業のブランドがあれば周りもついてきたかも知れませんが、これからは社内外のいろいろな方たちと一緒にさまざまなトライアルをやっていかなければいけません。しかもそれは何度も失敗するのが当然です。

 ですから、それはコンサルタントも同様だと思いますが、周りの人に共感してもらう、共通の思いを持てる、一緒に乗り越えていく、といったことができないと、周りの人たちはついてきてくれないのではないでしょうか。リーダーに一番必要かつ重要な要件は、この「人間力」ではないでしょうか。

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連載:日本企業の進化論-激動の時代に生き残るための選択肢

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