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自己矛盾を抱えたプライベート・クラウドに価値はあるか?

  2010/04/14 00:00

前回はクラウドの定義について検討したが、今回はそこで積み残した重要トピックである「プライベート・クラウド」について考えてみよう。

プライベート・クラウドとは?

 プライベート・クラウドとは、特定企業が所有し、その企業あるいは関連企業グループだけが利用するクラウドである。これに対する概念として、適切な登録手続きさえすれば企業(個人)が誰でも利用できるクラウドを特にパブリック・クラウドと呼ぶことがある。

パブリッククラウド
パブリッククラウド

インターナル・プライベート・クラウド

 プライベート・クラウドと混同されやすい言葉としてインターナル・クラウドがある。しかし、「プライベート or パブリック」と「インターナル(社外) or エクスターナル(社外)」という2つの分類法は異なるものである。つまり、プライベート・クラウドにも、インターナルとエクスターナルの2種類があるということだ。

 インターナル・プライベート・クラウドとは、企業が社内に所有するシステムをクラウド化し、自社あるいは自社グループによって利用可能にする形態のことだ。

インターナル・プライベート・クラウド
インターナル・プライベート・クラウド

エクスターナル・プライベート・クラウド

 一方、エクスターナル・プライベート・クラウドでは、社外にホスティングされたシステムをクラウド化する。一見、パブリッククラウドのようにも見えるが、利用が特定企業に限られているためプライベート・クラウドに分類される。

エクスターナル・プライベート・クラウド
エクスターナル・プライベート・クラウド

 その他にも、Amazon Private Cloudのように基本的にはパブリック・クラウドでありながら、特定企業のために他のユーザとの隔離性を高めたクラウドもある。この場合、インフラの所有権と運用管理責任は利用企業側ではなくAmazonにあるため、パブリックとエクスターナル・プライベートの中間的形態と捉えるべきかもしれない。

 本稿では、Amazon Private Cloudのようなタイプのクラウドは除外し、企業が自前でクラウド環境を所有あるいは管理する形態をプライベート・クラウドとして扱うことにする。

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著者プロフィール

  • 栗原 潔(クリハラ キヨシ)

    株式会社テックバイザージェイピー 代表、金沢工業大学虎ノ門大学院客員教授 日本アイ・ビー・エム、ガートナージャパンを経て2005年6月より独立。東京大学工学部卒業、米MIT計算機科学科修士課程修了。弁理士、技術士(情報工学)。主な訳書にヘンリー・チェスブロウ『オープンビジネスモデル』、ドン・タプス...

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