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システム担当者のための今さら聞けないストレージ再入門

魔法のようにバックアップする~高速コピー機能の発展とその実装(1)

第5回


 今回は、可用性を高めるために各ディスク装置に備わっている高速コピー機能の使われ方や種類を紹介する。(2はこちら)

高速コピーという需要

 日々多忙な時をお過ごしの皆様は、きっと自分が二人いたらもっと楽に物事がこなせるのになぁと思った事がおありであろう。コンピューターの世界でも似たようなことを考えることが多い。では2台のコンピューターで処理をすれば2倍のスピードでできるじゃないかということになるが、残念なことに物事はそう簡単には片付かない。

 単なる掛け算や割り算を1つの初期値に対して延々と行なうような処理であるならばいざ知らず、通常の企業における商用計算では、以前の解説でも述べたようにデータをアクセスする時間のほうが計算に使う時間よりも圧倒的に長いため、データが何処にあって誰が管理しているかが大きな障壁となる。特にUNIXやWindowsのシステムを利用している場合、データを保管しているディスクは通常特定のサーバーに占有使用されてしまっているため、1つのディスクを複数のサーバーから直接共有して利用することはできないのだ。

 ここまで読んで「あれっ?」とお感じの方は、きっとホスト系システムをお使いになったことがある方かホスト系システムをベースにしたコンピューター教育を受けた経験がある方だろう。ホスト系サーバーでは常識として複数のサーバーから同一のディスク装置を共有アクセスできるのであるが、残念ながらUNIXやWindows系のサーバーでは常識としてできない。この理由については次回以降の解説で触れて行きたいと考えているので、ここではとりあえず「そういうものなのか」と得心して欲しい。

 1つ言えることはコンピューターのプロと呼ばれる方たちでも、プロになる過程や時代背景、自分が関わったシステムの経験等が当然異なるため、このような常識の食い違いが発生しているのが現状だ。UNIXやWindows系のサーバーではファイル・サーバーやNASといった製品を利用して、ネットワーク経由でデータを共有する形態が主流を占めている。

 ネットワークを経由すればUNIXやWindows系のサーバーであってもデータは共有できるのだが、複数のコンピューターから直接接続のスピードで素早くディスクのデータをアクセスしたいという願望は存在する。その願いを叶える1つの手法が高速コピー機能だ。コピーを行なってデータを共有する形態は特にデータ・コピー共用(Data copy sharing)と呼ばれている。ホスト系システムのように実データを共用する形態は単に共用と呼ばれているが、データ・コピー共用と意図的に区別するために敢えて実データ共用(True data sharing)と呼ばれることもある。

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魔法の言葉で瞬時に2つ

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この記事の著者

佐野 正和(サノ マサカズ)

1986年日本アイ・ビー・エムの入社、本社SE技術部門で13年間ストレージ製品を中心に技術サポートを行なう。1999年にストレージ製品事業部に移り、以後、IBMストレージ製品の営業推進やソリューション推進、製品企画などの業務に携わる。現在、システム・ストレージ事業部でソリューション担当部長を拝任し、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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