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情報システム部門から戦略的ITサービス部門へ ~ オーナーシップを持ってビジネスに貢献する

  2014/02/04 00:00

IT部門はサービスマネジメントオフィスを設置すべき

黒須 オーナーが明確であっても、事業側のKPIとシステム側がプラスの相関になっていて、かつきちんとマネジメントされるとは限りません。私が支援している企業でも数社しかいません。なぜそれほど難しいのかと言うと、プラットフォーム的なレイヤーや事業ごとのレイヤーなど、企業によって3層から4層にレイヤーが分かれており、それぞれに相対するKPIが存在します。さらに、売上アップに効くシステムと、どちらかといえば社内効率化のために活用されているシステムがあり、2x4のマトリクスに分かれます。それぞれのオーナーの視点で、どういうKPIを持つべきなのかを細かく定義しないと、明確な相関が出てきません。運用効率化のツールやITシステムをモニタリングするダッシュボードはありますが、事業オーナーの指標との相関をリアルタイムに見られるツールは見たことが無いですね。

藤原 BSPグループは、IT部門がシステムをサービスとして提供、利用者は直感的にサービス内容を理解することができ、さらに、事業オーナーの指標と利用者の要望がプラスに相関した形でIT部門に集約され、IT部門はビジネスに競争力の源泉となる価値を提供することを目指す、SMO(Service Management Office)の設置を提唱しています。SMOの構築ををお客様と議論していく中で、SMOを実現するためのフレームワークとしてASMO(Advanced Service Management Office)を開発しました。ASMOフレームワークそのものは商品ではありません。ITILと同様に、ASMOフレームワークを活用してIT部門の業務の価値分析から組織改革、人材育成、ソリューションまでをトータルでコンサルティングするサービスを提供しています。

黒須 SMOの発想は素晴らしいと思います。ITの利用価値を高めるためにも、オーナーの目的を達成するためにも、各企業にSMOなる組織があるべきでしょう。私は組織論的なことを結構気にするのですが、SMOという組織構造は必要であり、今後、広まっていくと思います。SMOにはIT部門の人は当然入るだろうし、ユーザー部門の知見も必要になります。色々な立場の人の集合体になるのではと思います。

藤原 私も考えているのはそこです。日本では、IT部門の人だけになりがちです。色々な立場の人で、組み立てる必要があります。

黒須 一概には言えませんが、構築あるいは導入されたシステムが持つ機能のうち、約7割が使われていないようです。SMOで自社内のシステムがどのくらい使われているのか、これは稼働率ではなく、使用率が分かるようにすべきでしょう。真に必要なシステムを見極め、その利用率を高めるためにもSMOのような組織は有用だと思います。実際、米国でもサービスレベル・マネジメント・オフィスというフレーズは昔からありますが、純粋にサービス全体をマネジメントする組織機能としての設置は聞いたことがないですね。これまでは、オーナー目的達成のためのKPIと連動させるといった考えや意識が薄く、何となく優秀な人がやってきたのが実情です。SMOのような組織を明確に定義し、IT部門、利用者、オーナーが集まって、一つのマネジメントオフィスを構築することができれば、グローバル化を急務とされている日本企業にとっても非常に有効だと思います。

藤原 SMOは、ITILの最新バージョン2011エディションに名称のみ出ていますが「何をすべきか」はほとんど書かれていません。そういう意味では、私たちの研究が進んでいると思います。SMOは「ITが競争力の源泉」だと思っているCIOなどが旗を振らないと実現できません。単なる言葉遊びで終わってしまいます。必要性は分かっていただくことは出来ても、どのように必然性を理解していただくかが重要なのです。

黒須 SMOの設置後も、どうやってITサービスを活用し、価値を高めていくかを追求し続けなければなりません。その基礎となるのはやはり運用であり、非常に価値がある業務なのですが、どうしてもダイレクトに貢献できる分野と比較して、同等とはみなされません。しかし、運用の現場には、プラスの価値を生み出すヒントが沢山あるはず、そこをなおざりにしていると見逃してしまいます。運用部門のマネージャーは、業務が分かる人であるはずですから、運用しながら、プラスの価値を見出し、業務プロセスを改善することができると思います。

藤原 そのためには、活動による各種の「気づき」が必要だと思いますし、経営層やビジネスオーナー、IT部門と利用者のコミュニケーションが重要だと思います。円滑なコミュニケーションを実現するHUBとしてもSMOを広めていきたいと思います。



著者プロフィール

  • EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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