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「キャリアクラウド」「グローバル基盤」「ネットワーク仮想化」の3つに注力--NTTコミュニケーションズ 有馬社長が語るGlobal Cloud Vision 2013

  2013/10/25 11:30

 NTTコミュニケーションズは10月24~25日の2日間、都内で自社主催イベント「NTT Communications Forum 2013」を開催。講演やセミナー、展示会で、クラウドをベースに企業の変革を支援する「グローバルクラウドビジョン(Global Cloud Vision)」戦略を実現していくための最新技術やソリューションを披露した。有馬彰代表取締役社長の基調講演の模様と、展示会で紹介されていた注目の技術やサービスをレポートする。

「キャリアクラウド」「グローバル基盤」「ネットワーク仮想化」の3つに注力

 NTTコミュニケーションズ 代表取締役社長 有馬 彰氏

 有馬氏は「NTTコミュニケーションズのGlobal Cloud Vision 2013 ~これまでの取組みと今後の展開~」と題して基調講演を行った。

 同社が企業向けサービスの戦略としてグローバルクラウドビジョンを掲げたのは2011年10月のこと。「低コストで柔軟なICT環境の実現」「グローバルレベルでのICT環境の最適化」「安心安全なICT環境の実現」を柱として、顧客の経営改革に貢献していくことを目的とした。このビジョンが発表された当初は、同社が提供していない機能やサービスが多いこともあり、サービスの全体像を具体的に描きにくかった。

 だが、同社はその後、自社開発や、自社にない技術やサービスについてM&Aやパートナーとの協力を加速させ、Global Cloud Visionを構成するピースを次々と埋めていった。有馬氏の講演は、こうした同社の2年にわたる取り組みが着実に実を結んでいることを感じさせるものとなった。

 たとえば、2012年春には、CloudStackなどのオープンソースを活用した独自のIaaSサービス「Bizホスティング Enterprise」「BizホスティングCloudn(クラウド・エヌ)」をプライベート、パブリックのクラウドとして提供を開始した。ネットワークにはOpenFlowなどの仮想ネットワーク技術を採用し、グローバルで共通のサービスとして提供するなど、国内キャリアが提供する国内初のクラウドサービスとして存在感を示した。

 サービス拠点は現在、8ヵ国10拠点だが、2014年には10ヵ国12拠点に拡大予定だ。機能的にも、今月からは、データベース向けのクラスタ(Oracle Database、SQL Sever)機能やブロックストレージ、SAPの認証を受けたラージタイプの仮想サーバの提供を開始するなど、拡充を続けている。

 また、世界160ヵ国で提供していた閉鎖ネットワーク(VPN)サービスの「Aracstar Universal One」は、クラウド(BizホスティングEnterprise Cloud)と接続するための基盤へと発展した。さらに、2014年3月には、仮想ネットワークオーバーレイ機能が追加され、企業がM&Aなどで得た拠点で既存の物理ネットワーク構成を変更せずに安全に通信するための基盤へと発展していく予定だ。

Aracstar Universal Oneのネットワークオーバーレイ機能

 また、2014年秋には、ファイアウォールやWAN高速化装置を仮想アプライアンス化して、Aracstar Universal One内で提供していくことも予定している。拠点のLAN内に設置されているアプライアンス機器をクラウド上に移行させるイメージだ。なお、同社ではこうしたネットワーク機器の仮想アプライアンス化のことを指して、Network Functions Virtualization(NFV)と呼んでいる。

 Global Cloud Visionでは、これら以外にもさまざまな取り組みが進められてきた。有馬氏は、それらは、大きく3つの取り組みとして推進されていると説明した。すなわち、「通信事業者ならではのクラウドの展開」「グローバルレベルでのサービス提供力の強化」「ネットワーク仮想化技術を用いた新たな付加価値の提供」の3つだ。

 冒頭でみた2011年の3つの取り組みがややぼんやりとした言葉で表現されているのと比較すると、2013年版は「通信キャリアであること」「グローバルな基盤を持つこと」「ネットワーク仮想化技術に強みを持つこと」といった、同社のサービスの強みが具体的に表現されているのが特徴的だ。有馬氏は次のように説明する。

 「取り組みの1つめは、さまざまなクラウド事業者があるなかで、キャリアクラウドとして、クラウドとネットワークを一体のものとして提供していくということ。また、2つめは、データセンターとクラウドサービスのグローバル展開を急ピッチで進め、グローバルで標準化したサービスを提供するということ。そして、3つめは、カスタマーポータルを使ってネットワーク機器の設定をできるようにしたり、仮想ネットワークの適用領域を、データセンター内だけでなく、データセンター間、WAN、さらに企業のLANにまで拡大していくということだ」(有馬氏)

 クラウドの利用にはネットワークが欠かせないが、クラウドとネットワークを一体として提供できるクラウドサービスプロバイダーは少ない。また、グローバルなデータセンター拠点から標準サービスとして提供したり、ネットワーク仮想化をサービスとして提供しようというプロバイダーも少ない。その意味では世界的にもユニークな取り組みを進めていると言える。

 そのことを如実に示すのが、10月31日から提供を開始するサービスの総合ポータル「NTTコミュニケーションズ ビジネスポータル」だろう。同ポータルは、ネットワーク、クラウド、セキュリティ、仮想デスクトップ、ユニファイドコミュニケーション、企業向け外線サービス、機器の故障一覧、利用サービス一覧などを1つのサービスポータル上で一元的に管理できるようにするものだ。仮想マシンのプロビジョニングとネットワークのブロビジョニングが同一の管理ポータルで実行できるようになると考えると、世界的にも先進的でユニークなサービスになる。


著者プロフィール

  • EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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連載:NTT Communications Forum 2013 レポート
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