オフィス文書、画像、映像、音楽、センサーやデバイスのログといった非構造化データは、データ全体の80%近くを占め、年率50%で増え続けると言われている。これが数百テラバイトからペタバイト級の規模になると、現在広く使われているファイルストレージは、フォルダやディレクトリ毎に扱える量に限界があり、階層構造を維持する複雑性も増すため、データマネジメントが難しいという課題があるという。
一方、クラウドサービスや先進的な企業が使うオブジェクトストレージは、非構造化データをメタデータのタグとセットにして一意の識別子を持つ「オブジェクト」として扱う。そこでは、データを(階層のない)フラットな名前空間に格納することから、大量データ保管に適しており、容易にストレージ全体容量の拡張ができ、容量制限を気にする必要がない。
「HyperFile」は、オブジェクトストレージ製品「HYPERSTORE」と連携するNASコントローラになる。これにより、WindowsやLinuxにおけるSMB(CIFS)/NFSプロトコルを使うファイルストレージと大量データに最適なオブジェクトストレージの利点を組み合わせることができる。
さらに、次のようなエンタープライズITに不可欠の機能を実装しているという。
- POSIX準拠
- AD/LDAPプロトコル認証との連携
- 削除したファイルを復元できるスナップショット機能
- WORM(Write Once Read Many)機能によるファイル改ざん防止
- ハードウェア障害等の際にも無停止で自動復旧
- ハードウェアを追加するだけで全体容量・性能を拡張できるスケールアウト
- データ移行エンジンにより、既存のNASシステムやアーカイブシステムからサービス無停止、バックグラウンド・タスクとしてHYPERSTOREにファイルを移行
「HyperFile」は、アプライアンスまたは仮想サーバ上で稼働するソフトウェアとして展開できる。このうち 「HyperFileアプライアンス」はアクティブ・パッシブのデュアルモードにより無停止のフェイルオーバーや、キャッシュによる高速アクセスが可能だという。
すでに欧米市場では、車両管理データ等を扱うフリートサービス、衛星関連サービス、大学等、大量のファイル管理が求められる組織・企業で採用されているという。