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日立、OTデータとITデータの双方を統合的に分析可能な社会・産業インフラ分野向けのデータ分析基盤を提供開始

 このサービスは、具体的には、本基盤を活用して、社会・産業インフラ分野におけるデータ分析を加速する環境構築を支援し、データを一元管理するデータレイクの構築から、分析のためのデータ準備・管理のほか、AIやBIツールを活用した分析サービスまでトータルに提供もの。これにより、鉄道や電力・ガスなどの社会インフラ分野、製造プラントなどの産業分野における現場データの利活用を加速し、新たな価値やビジネスの創出を支援するという。

 鉄道や電力・ガスなどの社会インフラ分野や、製造プラントを有する産業分野においては、データの利活用によるメンテナンスの高度化や最適輸送の実現、新規サービスの創出に向け、IoT・ビッグデータ分析の業務への応用が期待されている。

 一方、現場で用いられる各種機器、センサーからのデータ形式は異種混合であるほか、同種のデータでも業務システムごとに異なる項目や名称で管理されることも多く、それらをまとめて分析するためには、形式の統一や類似データの統合などの事前準備が必要になる。このような事前準備作業は、一般的にデータ分析作業全体の大半を占めるともいわれ、データ分析を業務へ適用する上での障壁となっていた。

 今回、各種機器やセンサー、業務システムからのデータなど、膨大で多種多様な形式の情報から効率的に分析目的のデータを抽出・作成できる「Big Data Discovery(BDD)」と、分析者の視点でデータ構成を再定義して管理できる「NX Context-base Data Management System(CDMS)」を新たに開発し、OTデータとITデータの統合的な分析・利活用の事前準備を支援する「現場データ準備・可視化サービス」および「現場データ管理サービス」として提供する。

 また、これらのサービスをAIやBIツールを活用した「プロフェッショナル分析サービス」と組み合わせ、社会・産業インフラ分野におけるデータ分析をトータルに支援する。

 「現場データ準備・可視化サービス」は、データを収集・蓄積する環境を提供し、分析目的のデータの抽出・作成を容易にするサービス。BDDにより、データ形式の統一や異なる項目名称で管理されているデータの統合といった、データ分析作業全体の大半を占めるともいわれる分析データ準備作業を効率化することができる。

 「現場データ管理サービス」は、機器やセンサーなどから得られるさまざまな現場データの関係性を容易に管理することができるサービス。CDMSにより、現場データの構成などを分析者視点で再定義することが可能だ。従来、各機器、センサーの仕様に精通する専門家しか取り扱えなかったデータを、さまざまな分析やアプリケーション開発で利活用できるようにすることで、オフラインとオンラインの双方でのデータ分析の効率化・高度化を実現するとしている。

 なお、今回提供を開始する基盤は、IoTプラットフォーム「Lumada」のアーキテクチャーをもとに、国内外で開発した各種ソフトウェア群を体系化した「Lumada2.0/J サービススタック」を構成する既存ソフトウェアである、大量データを高速に分散処理するイベント駆動型フレームワーク「Hitachi Application Framework/Event Driven Computing(HAF/EDC)」や、OTデータに分析に必要な情報を付与して収集する「監視制御データ活用基盤 NX IoT Gateway」に、BDDやCDMSといった新規開発のソフトウェアを組み合わせ、社会・産業インフラ向けに整備したもの。

社会・産業インフラ向けデータ分析基盤(Hitachi Data Science Platform for social and infrastructure)の
サービス概要図

サービスの特徴

 1. 「現場データ準備・可視化サービス」

 各所に散在する機器・センサーや業務システムのデータ、さらには画像・映像・音声データ、オープンデータに至るまで、分析に必要なデータをすべて1つのデータレイクに継続的に集約し、分析目的のデータを容易に抽出・作成することができるサービス。このサービスの中核ソフトウェアとなるBDDでは、複数の業務システムのデータを統一的なインターフェースで扱うことができ、異なるシステム間のデータ関係性を自動で表示する機能を備えていることから、集約した膨大なデータの中から、分析者が着目した項目と類似した名称の項目を容易に見つけ出すことが可能になる。真に分析対象とすべきデータを容易に抽出できるため、分析データの準備に要する負荷を軽減し、本来の分析作業に迅速に取り掛かることが可能になる。

 2. 「現場データ管理サービス」

 従来、業務や現場システムに精通する専門家しか取り扱えなかった各種データに、「NX IoT Gateway」を用いて、データの単位や取得日時などのOTデータを説明する情報(コンテキスト情報)をひも付けて収集し、さらにCDMSを用いて分析者視点でデータ構成を再定義する「データモデル定義」を行い管理する。データモデル定義により、必要なデータを容易に探すことができ、かつ業務知識が少ない人にもデータを理解しやすくする。OTデータを分析に利用可能な状態で管理できることから、異常予兆検知などの保守の高度化の早期実現などが可能。

 また「現場データ準備・可視化サービス」で得られたデータの関係性を利用することで、対象となる社会・産業インフラシステムのデータモデルを容易に定義することができる。データモデルに基づいて、機器、センサーのデータをデータレイクに登録し、企業ニーズに合わせた分析やアプリケーションに必要なデータを適した形式で渡すためのデータマートの作成が可能であり、データ準備フェーズから分析フェーズ全体の効率化を図ることができる。

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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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