米Nutanixは、4月27日に「2019年第2年次報告Nutanix Enterprise Cloud Index 金融サービス業界の比較結果」を発表した。このレポートは、世界24の国や地域におけるIT部門の意志決定者2650名を対象に実施したグローバル調査「Nutanix Enterprise Cloud Index 2019」により、金融サービス業界におけるプライベート/パブリック/ハイブリッドのクラウド採用計画を調査したものとなる。
同調査によれば、大半の金融サービス企業は厳格な規制要件や政府の法令を遵守する必要があり、60%の回答者は将来のクラウド戦略に影響を及ぼす最大の要因として、セキュリティを挙げている。さらに、多くの企業が異なる環境間のワークロードの移行に苦慮していることから、金融サービス企業は主要アプリケーションの提供で従来型データセンターを使用する割合がもっとも高い。
一方で、デジタルトランスフォーメーションが進む中、金融業界ではIT環境をアップデートし、エンドユーザーに対するサービスの利便性を向上させることへの期待値が高い。現時点ではハイブリッドクラウドを展開中の金融企業は18%を下回っているものの、今後3~5年の間にハイブリッドクラウドへの投資シフトを計画している企業が51%に達する見込みとなっている。
約4分の3の金融企業は、パブリッククラウド環境で実行しているアプリケーションの1つまたは複数の、オンプレミス環境への移行を計画。そのなかで、ハイブリッドクラウドをもっともセキュアなIT運用モデルと評価する。
金融サービス企業の約30%は、クラウドの意志決定の動機として「リモートおよび支店のユーザーサポート」を選んでいる。普及を妨げる懸念事項としては、ハイブリッド環境の管理ツールが未成熟であること(66%)、ハイブリッドクラウドのスキルの不足(30%)、クラウドネイティブの開発スキルの不足(23%)が挙げられた。
金融企業におけるデータセンター運用の割合は59%超となっており、この傾向はパブリッククラウドへの不満に起因する。金融サービス企業のうち、パブリッククラウドサービスが自社の期待に完全に応えていると答えたのは39%に留まった。