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デロイト トーマツ、テクノロジー・メディア・通信業界を予測したレポートの日本版を発行

 デロイト トーマツ グループは、4月27日に「TMT Predictions 2020 日本版」を発行した。本レポートには、テクノロジー・メディア・通信(TMT)業界におけるトレンドを予測した「TMT Predictions 2020」をもとに、日本オリジナルの考察・分析が加えられている。

 「TMT Predictions 2020 日本版」では、日本におけるエッジAIの用途として、都市のスマート化、分散型エネルギーの実現、AIを活用した防災・減災システムの強化、新たな健康サービスの発展、AR/VRの進化による従来の生活様式の変革などを想定している。

 実用化に向けては、使用・提供されるデバイスとサービスの多様化、それぞれの用途に最適化されたエッジAIチップが必要となる。汎用チップから特定用途向けの「DSA(Domain Specific Architecture)べース」へ、最終的には「独自のカスタム半導体」へ発展していくと予測する。

 プロフェッショナルサービスロボットは、高齢化にともなう人手不足や人件費上昇、現場の負担増が課題となる中で、代替的な労働力として期待されている。ただ、ロボットが日常的に活躍するためには、さまざまな障壁を段階的にクリアしていく必要がある。

 5Gに関しては、ローカル5Gをきっかけに、いかに早期に短期の事業性と中長期の拡張性を両立した事業モデルを構築するかが肝要になる。

 低軌道衛星については、低軌道通信衛星コンステレーションの登場で、従来の静止軌道を活用した衛星通信と比較して、より低コストで、高速、かつ低遅延な衛星通信サービスが、より広範囲に実現する可能性がある。しかし、低軌道コンステレーション構築を巡る市場の動きはまだ不確実性が高い。ビジネスリスクを可能な限り軽減しつつ事業展開を着実に行っていくためには、個社単独での活動より、他社との緩やかな業務提携や、政府支援プログラムへの参画などを通じたPoC/実証実験機会の獲得が現実的と指摘する。

 広告型動画配信については、放送事業者が動画配信サービスで収益化を実現するためは、広告代理店など関係する他事業者とも連携し、複数の端末での視聴を前提とした新しい視聴指標を業界基準として設定していくことが重要とする。媒体やコンテンツの価値を指標化する設計を行うとともに、媒体価値を高めるためのデータ分析の高度化や、それらを活用したビジネスモデルの再設計が求められる。

 オーディオブックやポッドキャストといった音声コンテンツは、国内ではまだ目立った動きはない。しかし、音声を扱うコンテンツサービスは広がりを見せており、さまざまなプレイヤーが音声コンテンツの開発・制作や配信に関与するようになりつつある。大手プラットフォーマーやコンテンツ企業による質の高いコンテンツの提供と、そのヒットが、日本における音声コンテンツ市場の活性化につながると予測する。

 半導体において、日系半導体企業がその存在を再び示すためには、断絶された市場をつなぎ、市場そのものを形成するという戦略的視点が必要とする。中長期的な半導体市場の変化を見据えながら、半導体エコシステムの中で自社が立つべき事業の立地を見極め、確立するための戦略構築を求めている。

 サイバーセキュリティに関しては、ネットワークに対するサイバー攻撃の被害を低減させて攻撃に対峙していくために、個人、組織、社会、場合によっては国などそれぞれの関与者が、可能な対策を1つひとつ講じていくことが重要であると指摘した。

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