Amazon Web Services(以下、AWS)は、「AWS re:Invent」にてAmazon Aurora Serverlessの新バージョン、SQL ServerからAmazon Aurora PostgreSQLへの移行を簡素化する新機能、そして、オープンソースの代替製品への移行を支援する最新のオープンソースプロジェクトを発表した。
また、Amazon Auroraの新機能であるBabelfish for Aurora PostgreSQLやApache 2.0ライセンスによってオープンソース化した、Babelfish for PostgreSQLをGitHubで公開する計画についても明かした。
Amazon Aurora Serverless v2
Amazon Aurora Serverless v2では、ワークロードの拡張が必要な際に、その都度容量を2倍にするのではなく、細かい増加で容量を調整することで、アプリケーションのニーズに応じて最適な量のデータベースリソースを利用できる。
支払いは使用した容量の分だけですむため、ピーク時の容量をプロビジョニングした場合と比べて、データベースのコストを最大90%削減できるという。
Babelfish for Aurora PostgreSQL
Babelfish for Aurora PostgreSQLは、ほとんどもしくは全くコードを変更することなく、PostgreSQL上でSQL Serverアプリケーションを直接実行できる新機能だという。本機能はAmazon Aurora PostgreSQLに対応した最新の変換レイヤーを提供することにより、Microsoft SQL Server向けに記述されたアプリケーションのコマンドに対応できるようになる。
また、T-SQL(Microsoft SQL Serverの独自仕様SQLダイアレクト)に対応するため、アプリケーションのデータベースリクエストのすべてを書き換える必要はないとしている。
さらに、SQL Serverのネットワークプロトコルにも対応できるため、既存のSQL Server用データベースドライバの使用も継続できる。そのため、AWS DMSを通じて自社のデータを移行した後は、アプリケーション構成を更新し、SQL Serverの代わりにAmazon Auroraを設定するだけで、SQL ServerではなくAmazon Auroraでのアプリケーションの実行テストを開始できるという。
Babelfish for PostgreSQL
2021年の提供開始を予定しているBabelfish for PostgreSQLでは、Babelfish for Aurora PostgreSQLのソースコードを、追加機能を求めるすべての顧客が利用できるように公開するとしている。
Apache 2.0ライセンスを使用するため、ライセンス条件に基づき、任意の目的での使用、配布、修正に加えて、ソフトウェアの修正バージョンの配布もできる。Babelfishでの作業と計画はすべて、GitHub上で行われるため、AWSが開発中の機能に関する透明性が確保される。
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