JTBは、2021年4月より、証憑書類の電子保存化・関連業務のデジタル化と法人顧客との電子契約を開始することを発表した。
同社は、電子帳簿保存法における国税関係書類の電子保存要件を満たす証憑取込アプリケーション「STAP」と文書管理システムを独自に開発・構築。これを、既存ワークフローシステムと連携させることにより、2021年4月1日より証憑書類電子保存化への切り替えを実施する予定としている。(2020年12月現在所轄税務署へ申請中)
これにより、これまで紙保管を行っていた年間約570万枚以上の証憑書類の電子保存化が可能となり、ファイリング業務や保管作業などの関連業務のデジタル化や、間接業務の削減などによる業務効率化の促進を実現。また、保管スペースなどの経費削減により、年間約7億円以上の営業経費削減効果を見込んでいるという。
独自開発・構築した証憑書類電子保存化システムについて
JTBは、富士ゼロックスとインフォディオの協力を得て、独自のシステムを構築した。取引先顧客より受領する売上原価に関する証憑書類を電子化して取込み、既存のワークフローシステムと連携させる。
また、文書管理システムにデータ転送する独自アプリSTAPを開発。これを活用することによって、法要件に則した証憑書類の電子保存化を実現するだけでなく、添乗業務に従事する当社社員約5,000人に対して、煩雑であった領収証の処理業務などの効率化を図るとしている。
さらに、グループ会社のJTBビジネストラベルソリューションズが提供する経費精算システム「J’s NAVI NEO」を活用して、一般経費、交通費、出張旅費に関する証憑書類の電子保存化も併せて実現し、社全体における業務効率化も推進していくという。
法人顧客との電子契約の開始について
JTBは、電子契約・電子署名を2021年4月1日より開始するが、顧客の契約実態に応じて、電子契約(電子サイン)、電子取引(メール)、書面契約の3種類の契約パターンが想定される。そのため、各手法の一元的な営業管理・文書管理を実現する証憑書類電子保存化システムと連動した業務フローを構築し、年間約7万件以上の電子契約・電子署名への移行を予定している。
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