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アクセンチュア、2021年のテクノロジートレンドに関する調査結果を発表

  2021/02/26 16:44

 米現地時間2月17日、アクセンチュアは、世界のテクノロジートレンドに関する最新の調査レポート「Accenture Technology Vision 2021(以下、テクノロジービジョン2021)」を発表した。

 「テクノロジービジョン2021」は、今後3年間でビジネスや業界に大きな影響をもたらす重要なテクノロジーのトレンドを予測した、今年で21回目となる年次調査レポート。今回のレポートでは「熱望されるリーダーとは – 変化を捉えて主導すべき時(Leaders Wanted: Masters of Change at a Moment of Truth)」と題し、リーダー企業がどのようにして10年分のデジタルトランスフォーメーションを1~2年間で成し遂げているのかを明らかにしているという。

 同社の調査によると、リーダー企業は、デジタルをビジネスの中核に据えて素早いイノベーション創出の体制を構築することで、デジタル活用に出遅れた企業に比べて5倍のスピードで収益を伸ばしており、2015~2018年の期間ではこの差が2倍に留まっていたことがわかったしている。

 本レポートの作成にあたり、日本を含む全世界6,200人以上の企業や組織の上級役職者およびIT担当役員を対象に調査を実施。このうち、92%が「今年は緊急性に迫られてイノベーションに向けた行動を起こしている」と回答した。また、91%が「今後市場を獲得していくには、自らが市場のあり方を定義することが不可欠だ」と回答している。

 企業は、未来を形作る上で次の3点が重要になるという。

  • テクノロジー分野をけん引する「テクノロジーリーダーシップ」を推進すること:リーダー企業に素早く追随する「ファストフォロワー」が優位になる時代が終わり、今後永続的に変化が続く中、テクノロジーを事業戦略の全面に打ち出す企業こそが、これからのリーダー企業になる
  • リーダー企業はニューノーマル(新常態)の定着を待つのではなく、従来と根本的に異なる考え方やモデルを用いて自らそれを作り上げることが重要
  • リーダー企業は地球社会における市民として幅広い責任を果たしながら、テクノロジーを駆使して、企業の垣根を超えて価値をもたらす。これにより、持続可能で受容性に富んだ世界を作り上げることが求められる

 また同調査では、企業があらゆる事業領域において変化を促し、取り入れることができる「変化の達人」になるために、今後3年間で押さえるべき5つのテクノロジートレンドを定義している。

テクノロジーの戦略的集積――アーキテクチャが未来を決定づける
(Stack Strategically: Architecting a Better Future)

 新たな業界競争の時代が幕を開ける中、ITシステムのアーキテクチャが競争力を左右するという。しかし、競争力の高いテクノロジーを集積し、活用するためには、テクノロジーに関する考え方を変え、ビジネス戦略とテクノロジー戦略を融合させることが不可欠だとしている。今回の調査では、回答者の89%が「自社のビジネス価値の提供能力は、今後より一層、自社が持つテクノロジーアーキテクチャの能力に左右される」と回答した。

ミラーワールド――インテリジェントな巨大デジタルツインが戦力に
(Mirrored World: The Power of Massive, Intelligent, Digital Twins)

 リーダー企業は、工場やサプライチェーン、製品ライフサイクルなどをデジタル空間に再現するため、インテリジェント化されたデジタルツインの構築に取り組んでいる。データやインテリジェンスを組み合わせて現実空間と同じ世界をデジタル空間で構築することによって、新たなオペレーションやコラボレーション、イノベーションの可能性が生まれるという。今回の調査では、65%が「今後3年間で、インテリジェント化されたデジタルツインへの投資を増やすだろう」と回答している。

一人ひとりがテクノロジスト――テクノロジーを民主化する
(I, Technologist: The Democratization of Technology)

 あらゆる事業部門の従業員が、テクノロジーがもたらす強力な機能を利用できるようになった今、従業員一人ひとりによる草の根の取り組みが、企業のイノベーション戦略において重要になっているという。今では、すべての従業員がイノベーターとなって業務を最適化して、課題を克服し、ニーズの発生や変化に合わせてビジネスを維持することが可能になったとしている。今回の調査では、88%が「全社的なイノベーション推進にはテクノロジーの民主化が不可欠だ」と回答した。

あらゆる場所が仕事場に――自社の環境を持ち歩く
(Anywhere, Everywhere: Bring Your Own Environment)

 企業は仕事場の境界線を広げることで、労働環境に大きな変化をもたらした。人々は“自社環境の持ち歩き”が可能になり、自宅やオフィス、空港、パートナー企業のオフィスなど、どこからでも円滑に仕事ができる自由を手に入れたという。リーダー企業は、こうした環境で働くことに関して企業としてのパーパスを再考し、自社ビジネスの再創造を進めている。今回の調査では、81%が「業界をけん引する企業は、“私物端末の業務利用(Bring Your Own Device)”から“自社環境の持ち歩き(Bring Your Own Environment)”という労働環境に転換し始めるだろう」と回答した。

「個」から「全体」へ――マルチパーティシステムが突破口に
(From Me to We: A Multiparty System’s Path Through Chaos)

 接触追跡システムや、フリクションレス(摩擦のない)決済のほか、新たな信頼構築方法に対する需要が増えたことにより、企業の既存のエコシステムでは未対応だった分野が注目されるようになった。企業は、業界を横断したデータ活用を可能とするマルチパーティシステムを構築することで、レジリエンス(危機からの回復力)や適応力の向上、市場開拓手法の拡大、業界のエコシステム形成を見据えた新たな基準の設定などをより一層進めることができるという。今回の調査では、90%が「マルチパーティシステムを構築することで、パートナーとの新たな価値創出に向けて、よりレジリエンスや適応力に優れたエコシステムの形成が可能になる」と回答している。

 世の中の急激な変化に合わせてテクノロジーイノベーションを創出することが、かつてないほど重要性を増しているという。たとえばレストラン業界では、2020年7月時点で口コミサイトのYelpで「一時休業中」と表示されていたレストランの60%が、9月までに廃業していた。こうした危機の中、スターバックスは、テクノロジーを駆使して顧客や小売チャネルの拡大を図り、業界のリーダーとして台頭。8月までに300万人の新規ユーザーによってスターバックスのアプリがダウンロードされ、モバイルオーダーとドライブスルーでの売り上げが全体の90%を占めるようになったという。

 こうした需要の急増にともないスターバックスでは、統合チケット管理システムを導入し、アプリやUber Eats、ドライブスルーの注文を一本化したことで、バリスタが単一のワークフローで作業ができるようになった。また、抽出したコーヒーの量を計測してメンテナンス時期を予測するために、センサーを搭載した新たなエスプレッソマシンも導入。これは、企業が俊敏性とレジリエンスをもって変化に対応する際、テクノロジーが中核を担った好例だとしている。

アクセンチュアのテクノロジー担当グループ・チーフ・エグゼクティブ 兼 最高技術責任者 ポール・ドーアティ(Paul Daugherty)氏のコメント

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、未来に向かうスピードが急激に速まりました。多くの企業がビジネスやコミュニティの運営を維持するために、前例にとらわれることなく、これまで不可能だと考えられていたスピードでテクノロジー活用に取り組むようになりました。一方で、迅速な事業転換に必要となるデジタル基盤の整備が不十分であったために、自社の弱点が浮き彫りになるという課題に直面する企業もあります。私たちは今、テクノロジーの価値を評価する「真実の瞬間」を、テクノロジーに対する信頼を深める「信頼の瞬間」に昇華させていく、一世一代の好機を迎えていると言えるでしょう。企業は、指数関数的な速さで進化を遂げるテクノロジーの力を取り入れることで、ビジネスや人々の体験のあり方を根底から再創造することができるのです。

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