清水建設は、中期デジタル戦略2020「Shimzデジタルゼネコン」を構成する3つの柱「ものづくりをデジタルで」「ものづくりを支えるデジタル」「デジタルな空間・サービスを提供」の推進・実現に向け、それぞれのデジタル化コンセプトを策定した。
デジタル化コンセプトの概要
1.「ものづくりをデジタルで」
建築事業と土木事業のあり方を示しており、、プロジェクトの上流から下流の運用に至るまで、一貫したデータ連携体制を構築し、デジタルなものづくりを目指すとしている。たとえば、上流段階では建築設計のコンピュテーショナルデザイン、土木ではCIMデータで構築するサイバー空間を利用した施工計画の検討。そして施工段階では、建築・土木ともにデジタルデータを活用した施工の管理、ロボット化・自動化、部材製作の実践をおこなうという。下流段階では、成果物である建物やインフラの機能・性能情報のデジタルデータ化などを加速させるとしている。
2.「デジタルな空間サービスの提供」
エンジニアリング事業のあり方を示しており、都市・建物デジタルツインの活用による、デジタルなサービスの提供を目指す。これにより、顧客の資産価値向上、運営管理効率化、利用者の利便性・安全・安心の向上に貢献するという。すでに、同社が開発したオフィスビル「メブクス豊洲」や、清水建設本社ビルの改修工事を手始めに、都市・建物デジタルツインの構築に必要な基盤・データプラットフォームや建物のOS実装が始まっており、今後、適用案件の拡大を図っていくとしている。
3.「ものづくりを支えるデジタル」
従業員の安全な業務遂行、建築・土木のものづくりや空間・サービスのデジタル化など、業務を支援するデジタル化基盤全体のあり方を示しているという。電子決裁推進、プロジェクトデータベースによる情報連携・データ活用による業務効率化、RPAやワークフローを活用した内勤管理業務の自動化・効率化に向け、業務プロセスの見直しとあわせて、各種業務システムの連携やデータ連携を推進。また、これらのシステム群が有効に活用されるためのインフラ基盤の構築を進めており、このインフラ基盤とデータマネジメント基盤、業務システム基盤が、ものづくりと中期デジタル戦略を支えるデジタル化基盤を構成するとしている。
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