Tableauは、同社が委託したYouGov調査により、日本のビジネスリーダーは、他の多くの市場よりも職場でのコミュニケーションに対してパンデミックの影響をネガティブに感じていることが明らかになったことを発表した。本調査は、日本、 オーストラリア、英国を含む9ヵ国から約2,000人のビジネスリーダーを対象にしたものだという。
日本の経営幹部の89%が、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に対応するために職場を移行した結果、少なくとも1つは重要な問題を経験。44%は生産性を低下させるものとして過度に長い会議を挙げている。議論の質を向上させるために日本のリーダーは、「データを使用して議論を活発化する」「多様な視点を確保する」「数字に基づいて意思決定を行う」を上位3つに挙げているという。
実際、社内でのデータ利活用を増やした日本のリーダー(55%)は、増やしていないリーダー(16%)と比較して、3倍以上がパンデミック中にコミュニケーションの肯定的な改善を認識したとしている。
また、日本のビジネスリーダーの多く(70%)が、質の高い議論を生み出す最も重要な要因として、事業に実践的な洞察を生み出すことを挙げているという。それにもかかわらず、日本の経営幹部の41%は、データドリブンなビジネス会話の大きな障壁として、複雑さとアクセス不能のためにデータを理解できないことを挙げている。同様に、英国のエグゼクティブの59%は、データリテラシーの不足が質の高い会話を阻んでいると認めているという。これは調査対象の中で最も高い値だとしている。
データ使用の頻度、データ使用量、データを扱うスキルは依然として課題となっているという。COVID-19パンデミックをきっかけにデータの使用を増やしたリーダーは26%しかなく、意思決定にデータを使用している企業は14%しかいないとしている。対照的に、調査対象の英国のリーダーは、従業員のほぼ4分の1(24%)が、職場の意思決定を導くためにデータに依存しているという。
さらに、日本のリーダーが少なくとも毎週分析ツールを使用して仕事の課題を解決し、議論を推進している大多数の企業(70%)は、組織全体に同様のレベルに適用したとしている。
調査報告書の解説を担当したシドニー大学の社会心理学者でマーケティング教授のドネル・ブライリー教授は、「パンデミックは仕事への従来の期待を完全に覆しました。これは、階層と権威への敬意が国家の精神に深く浸透している文化を持つ日本で最も強く感じられました。小さなオフィスは、開放感のある仮想空間に場所を譲り、『仕事のあとの一杯』という状況は実質的に消えました。しかし、経営幹部がデータをリモートワークの課題に対処するためのソリューションとして認識し、重要なビジネス・ディスカッションのためのインテリジェンスの基盤を作り出す方法としていることは興味深いことです。指導者は模範とならなければなりません。従業員が意思決定を行う方法を獲得したら、意思決定を行うためにデータに目を向けることは習性となります」と述べている。
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