楽天生命保険(以下、楽天生命)は、日立製作所(以下、日立)の保険会社向け医療ビッグデータ分析ソリューション「Risk Simulator for Insurance」を用いて、保険加入希望者の健康状態から将来の入院リスクをAIで予測し、保険の引受査定を自動化するシステムを構築し、稼働を開始したと発表した。
新システムはAIで保険引受の可否を判定し、従来人手で行っていた査定業務を自動化するもの。具体的には、保険申込時の告知情報をもとに、「Risk Simulator for Insurance」が生活習慣病に関わるリスクを解析・判定し、楽天生命が設定したリスク度合いの基準と照合して、引受可否の判断を自動で行うという。なお、新システムは保険募集代理店の営業タブレットからの申込を対象に導入する予定で、申込から契約までの所要時間を大幅に短縮するとしている。
また、保険申込書における既往症の記載は自由記述となっていることが多いため、日立は申込書のテキスト情報を解析し、適切な病名や薬剤名、さらには世界共通の傷病を分類するコード「ICD10」へ自動変換する機能を新たに開発したという。同機能は新システムでも利用されており、2022年4月から「Risk Simulator for Insurance」の新機能として正式にリリース予定。
楽天生命は今後、AIによる査定自動化の対象範囲を拡大し、各種保険の加入手続きの効率化、申込手続き期間の短縮を図るとしている。日立は、今後のパーソナル・ヘルス・レコードの普及を見据え、より膨大できめ細かい情報を処理できるようAIの高度化を進めるとともに、保険会社向けのヘルスケアデータ利活用プラットフォームの整備を図るという。
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