日立ソリューションズは、カインズのECシステムを「Microsoft Dynamics 365」を活用して刷新し、2021年8月に稼働したと発表した。受発注業務を統合管理し、O2OやOMO(Online Merges with Offline)に対応できるIT基盤として、経営戦略に沿った施策の遂行に貢献しているという。
新システムは、ECサイトの受注データに対して、倉庫からの出荷指示、近隣の店舗からの移動指示、卸への必要な発注を自動で行うことで、現場担当者の作業効率120%を実現。また、リアルタイムに在庫数量を管理することで、システムの刷新前と比較し、欠品率の低下や、在庫切れから補充までのリードタイムを3分の1に短縮し、キャンセル率の半減につながったとしている。
さらに、日立ソリューションズの開発スキルおよびノウハウ提供により、稼働後のノーコード開発やアジャイル型による内製化を可能としたという。カインズは新システムによって、顧客とのタッチポイントや販売チャネルに関わる情報を統合管理し、包括的な販売促進につながるオムニチャネル対応や、サービス向上を実現したとしている。
導入効果
- 店舗、ECシステム、倉庫に関わる受発注業務を統合管理し、経営戦略の迅速な実践に貢献
- リアルタイム在庫管理により、リードタイムの短縮やキャンセル率の低減、生産性向上を実現
- 開発スキルの提供により、ノーコード開発やアジャイル型の内製化を支援
X++(「Microsoft Dynamics 365」用のプログラミング言語)やノーコード開発ツールを活用し、アジャイル型でのシステムの機能拡張、メンテナンスの内製化を実現。これにより、在庫情報を他のシステムに通知するAPIを開発するなど、長期的にオムニコマースへの対応を深め、経営戦略に沿った施策の迅速な実行が可能になったという。
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