IBMは6月8日、AI倫理に関する調査レポート「AI倫理の実践─信頼できるAI実現へ、全社的取り組みを」の日本語版を発表した。
同レポートは、IBMのシンクタンクである「IBM Institute for Business Value(IBV)」が、オックスフォード・エコノミクスの協力のもと行ったもの。経営者がAI倫理の重要性についてどのように考え、また組織がどのように運用しているかを調査した。調査期間は2021年の5月から7月までで、調査対象は北米、中南米、欧州、中東、アフリカ、アジアを含む22ヵ国を拠点とする組織の1,200人の経営層だったという。
主な調査結果
- 回答者の80%が「非技術部門の幹部もAI倫理の主要提唱者」と見解(2018年は15%だった)
- 調査対象のCEOの79%が、AI倫理に向けた準備を進めているが、実際に行動している組織は4分の1未満
- 68%の企業が、AIの先入観(バイアス)を軽減するために多様性が重要であることを認識している一方で、自社のAIチームにおける女性の割合が他部門と比較し5.5倍、LGBTなどの割合が4倍、人種的な割合が1.7倍低いと回答
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