8月24日、Acompany、EAGLYS、LayerXの3社は、プライバシーテック協会設立を発表した。
デジタルデバイスやインターネット利用頻度の増加、DX推進などを背景に企業のデータ活用幅が広がっている一方で、パーソナルデータの活用においてはプライバシーへの配慮が不可欠であり、同意なきトラッキングなどが社会課題となっているという。同協会では、こうした課題に対して、プライバシーテックを前提にしたデータ活用を考えていくフェーズへ移行しているとする。会長を務めるAcompany 代表取締役CEO 高橋亮祐氏は「プライバシーテックが黎明期であるゆえに認知が十分に得られておらず、技術と法律の整理、議論が十分に進んでいません。そこで、プライバシーテックの社会実装に取り組んでいる3社でプライバシーテック協会を立ち上げました」と説明する。
また、プライバシーテックにおいて5つの技術要素「匿名化・仮名化」「秘密計算」「差分プライバシー」「合成データ」「連合学習」を対象として推進。令和4年度の活動として、まずは秘密計算にフォーカスし、第三者提供や安全仮措置、漏えい時の対応などについて法的論点を整理するという。加えて、関係有識者団体との連携強化、法的論点の整理を踏まえた上での新たなルールメイキングの可能性や提言の実施が検討されている。なお、秘密計算研究会を通じてNTTやNECとの連携も徐々に始まっており、今後は一般社団法人化も視野に入れているという。
協会メンバー
- 会長:Acompany 代表取締役CEO 高橋亮祐氏
- 理事:EAGLYS 代表取締役社長CEO 今林広樹氏
- 理事:LayerX 執行役員 兼 PrivacyTech 事業部長 中村龍矢氏
- アドバイザー:竹之内隆夫氏
- アドバイザー:ひかり総合法律事務所 パートナー弁護士 板倉陽一郎氏
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