ガートナージャパン(以下、Gartner)は、日本におけるソフトウェア開発の内製化に関する調査結果を発表した。企業が内製化を推進する主な要因は開発コストの削減と迅速化、最大の阻害要因はIT部門の人手不足であることが明らかになったという。
企業、個人のいずれも内製化の方向
Gartnerは、2022年4月に日本国内のユーザー企業でソフトウェア開発に従事する個人を対象に、自社および自身の内製化/外製化に対する考え方についての調査を実施。今後の内製化/外製化の方針について、回答者が所属する企業の方針と回答者自身の見解を尋ねたところ、企業の方針が内製化の方向という回答は54.4%、外製化の方向にあるとの回答が35.4%となり、内製化の方が高い割合だった。一方、回答者自身の見解でも内製化を推進している回答者の方が多い結果となったという(内製化推進が56.4%、外製化推進が40.7%)。
内製化の主な推進要因は開発コストの削減と迅速化
自社の方針が内製化と答えた回答者に、その理由についても尋ねたところ、上位2項目は、「開発コストの削減(システム・インテグレーション〔SI〕に支払うコストが高額なため等)」(55.2%)、「開発、実装、保守対応の迅速化(SI企業とのやりとりの時間が長い等)」(49.7%)だった。それらに続く、自社ビジネス・ノウハウの活用やスキル、ナレッジの改善・蓄積といった開発の在り方の積極的な改善も4割以上の回答があったとしている。
最大の阻害要因はIT部門の人手不足
全回答者に対し、内製化推進の妨げとなるもの、あるいは自社または回答者自身が外部委託を支持する理由も尋ねた。その結果、「IT部門の人手不足」が最も多く64.7%だったという。
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