FS-ISACとアカマイは、分散型サービス妨害(DDoS)攻撃が金融サービスセクターにもたらす脅威に関する新しい調査結果を発表した。
『The Evolution of DDoS: Return of the Hacktivists(DDoS攻撃の進化:ハクティビストの復活)』と題したレポートによれば、金融企業を標的とするDDoS攻撃の数が2022年に22%増加したという。
特にヨーロッパではDDoS攻撃が73%増加し、DDoS攻撃の半数が金融サービスを標的にしたものとのこと。
なお多くのDDoSキャンペーンがランサムウェア攻撃からヒントを得て、脅迫戦術を取るようになっているほか、DDoS攻撃の陰で、システムへの侵入、データ漏えい、マルウェアのインストールなど、より大きな損害を与えかねない他のサイバー活動が行われる恐れがあるという。セキュリティチームがDDoS攻撃に気づいた際は、他のタイプの攻撃にも警戒する必要があることから、限定的なリソースに更なる負担が出ることが予想されている。
さらに、DDoSの進化にともない、企業はリスクプロファイルと緩和策を適宜更新していく必要があるほか、DDoSは単なる嫌がらせなどではなく、重大なサイバー防御上の課題と考えるべきだとしている。
今回の発表にあたり、アカマイのAdvisory CISO を務める Steve Winterfeld氏は次のように述べている。
「DDoS攻撃はしばらく前から発生していますが、私たちが目の当たりにしているのは、新しく革新的で、より攻撃的に進化している姿です。当社はFS-ISACと協力して、『The Evolution of DDoS:Return of the Hacktivists』を作成しました。このレポートでDDoSの脅威について金融界に理解してもらい、脅威の傾向とベストプラクティスを示すことで、このセクターがこのような攻撃に対抗できるようにしたいと思います」
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