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58%のリーダーが「開発者エクスペリエンス」は重要であると回答──Gartner調査

 ガートナージャパン(以下、Gartner)は、世界のソフトウェア・エンジニアリング・リーダーを対象とした調査結果を発表した。

 同調査では、2022年下期に、ソフトウェア・エンジニアリングの中核領域にある47のテクノロジーに関するデプロイ計画、採用時期、価値、リスクについて把握するために実施され、北米、欧州・中東・アフリカ、アジア太平洋のあらゆる業種における大企業のソフトウェア・エンジニアリング・リーダー142人が回答。調査結果は、ソフトウェア・エンジニアリング・リーダーにとって、同業他社が実際にどの分野でビジネス上のリターンを得ているのか、またどの領域で重大なデプロイ・リスクに直面しているのかを理解するのに役立つとしている。

 「質の高い開発者エクスペリエンス」は、ソフトウェア・デリバリにおける重要な優先課題となっており、調査ではソフトウェア・エンジニアリング・リーダーの58%が、自社のCレベルの経営幹部にとって、開発者エクスペリエンスは「非常に重要」または「極めて重要」であると回答している。

 開発者のエクスペリエンスや生産性の向上は、ソフトウェア開発ライフサイクルのテクノロジー/プラクティス(社内開発者ポータル、パフォーマンス・エンジニアリング、CI/CDツールチェーン、コンテナ管理など)の採用がもたらす最大の価値であり、採用の推進要因だという。

 シニアプリンシパルアナリストのフィリップ・ウォルシュ(Philip Walsh)氏は、次のように述べている。

 「質の高い開発者エクスペリエンスは、生産性を向上させると同時に、ソフトウェア・エンジニアリング人材を引き付けて定着させるために重要であることが企業で認識されつつあります。開発者エクスペリエンスは、単なるコーディングにとどまりません。開発者エクスペリエンスに最も高い価値をもたらすとみられているテクノロジのいくつかは、仕事の引き継ぎによって価値提供の流れを中断しがちなプロセスを簡素化することに重点を置いています」

高いコストや予測不能なコストは、テクノロジーの新規採用における主なリスク要因

 ソフトウェア・エンジニアリング・テクノロジーの採用における推進要因は多数あり、開発者エクスペリエンスの改善のほかに、コストの削減や優れたケイパビリティの提供なども挙げられるとのこと。一方で、高いコストや予測できないコストは最大のリスクであり、同調査の対象となった47のテクノロジー/プラクティスの68%の採用における主なリスク要因として挙げられているという。

 ウォルシュ氏は次のように述べている。

 「ソフトウェア・エンジニアリング・リーダーは、少ないリソースでより多くを達成しなければならない立場に置かれるケースが増えています。経済的な逆風や長引く雇用課題に直面する中、企業のミッション・クリティカルな優先課題において重要度が増すソフトウェア・エンジニアリングに対処するのは容易ではありません」

 人材の確保は、テクノロジーの採用において2番目に一般的なリスク要因であり、評価対象となったソフトウェア・エンジニアリングのテクノロジー/プラクティスの17%で主なリスク要因となっている。人材不足を解消するために、ソフトウェア・エンジニアリング・リーダーは、在籍中の従業員や新入社員のスキルアップとリスキリングに注力すべきであるとGartnerは提言している。

 需要が生じる前に、各従業員のスキルの習得を目指すことで、テクノロジーが成熟して新たなテクノロジーが導入されても、従業員がより幅広い役割を担い、技術的にチャレンジとなる新しい取り組みに貢献できるようになるという。

コスト面での懸念はあるものの、企業は価値の高いプラットフォーム・テクノロジーに投資

 プラットフォームは、アプリケーションを構築/実行するための拡張性の高い安定した環境をもたらす基盤テクノロジーである。ソフトウェア・エンジニアリング・リーダーは、高いコストや予測不能なコストを最大のリスク要因に挙げながらも、API、統合、複雑なクラウド環境を管理するためのプラットフォーム・テクノロジーをデプロイするとしている。

 同調査では、企業は、複雑化するアプリケーション・アーキテクチャを管理するためのテクノロジーの採用も優先させていることが明らかになった。アーキテクチャと統合のカテゴリーに分類されるテクノロジーの67%は、2023年にデプロイが予定されており、調査回答者はビジネスや顧客への優れたケイパビリティの提供を、優れた価値をもたらす原動力として挙げているという。

 シニアディレクターアナリストの片山治利氏は、次のように述べている。

 「日本企業は、これまでソフトウェア開発を外製に頼っていたという背景もあり、開発者のエクスペリエンスの向上が重要という認識はあまり強くはありませんでした。しかし、内製化への関心も高まりつつある今日、優秀なエンジニアを採用し、育成、定着を図るためには、開発者エクスペリエンスについて関心を示す必要があります」

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