山形大学、東北公益文科大学(以下、公益文科大)、酒田市、東日本電信電話 山形支店は、庄内地域における遠隔診療と地域コミュニティ形成に関する実証実験について2023年6月2日に協定書を締結した。
同実証実験は、庄内地域において、過疎地域等の医師不足や住民の高齢化に対応するため、「遠隔診療」を普及させることを目的としている。遠隔診療の器具を搭載した医療カーの活用によって、遠隔診療モデルについて実証実験を行い、さらに無線環境などにおける医療機器の通信品質や操作性など、技術的な評価を実施するという。
また、地域住民の交流を活性化させる地域コミュニティ形成のため、地域のコミュニティセンター(以下、コミセン)への健康相談や高齢者の社会参加、学びの場の創出などの実現を目指すとしている。
山形大学および医療機器販社などは、電子聴診器やエコーなどのセンサーをシステムに組み込み、より多機能な診察を可能にするとともに、多くのバイタル情報を医師に伝えることにより、リモート診察システムの診断精度を向上させるという。なお、システムの運用は、酒田市が実証に取り組む医療Maas事業との連携を検討しているとのことだ。
また、高齢者の見守りも兼ねてリモート健康相談などをコミセンでも行い、各種活動の際に、気軽に健康相談できるネットワーク環境を整備。高臨場大型モニターを設置し、コミセン同士をつなぐことによって多機能な「ハブ(HUB)コミセン」とし、公益文科大が中心となり、コミセン間における地域住民間の交流活発化を促すという。
さらに、コミセンにおいては、こども教室を高齢者参加で行うことにより、子どもと高齢者間での交流を活発化させ、小中学生の居場所づくりや学習をサポートとともに、高齢者の社会参加を促すとしている。
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