2023年11月7日、セゾン情報システムズはイベント「HULFT Technology Days 2023」を開催した。
同イベントは「DXのバラバラを、スルスルに。」をテーマに掲げており、同日は日本橋でのオフライン開催、11月21日と22日にはオンライン開催も予定されている。イベント冒頭、初代スポーツ庁長官 鈴木大地氏とフリーアナウンサーの宇賀なつみ氏が「スポーツにおけるデータ分析の可能性」と題してトークセッションを披露。スポーツだけでなく領域を問わず、データ分析・活用やオープンイノベーションに取り組むことの重要性が軽妙に語られた。
続いて、基調講演にセゾン情報システムズ 代表取締役 社長執行役員 CEOの葉山誠氏が登壇。「2011年のイベント開始当初は『HULFT DAY』、昨年まで『HULFT DAYS』と冠していたが、2024年4月1日からセゾンテクノロジーへと社名変更をするにあたり名称を変更した」と述べると、新たなロゴマークを公表した。
HULFTが30周年を迎える中、企業におけるクラウドリフト/シフトの需要が根強く、デジタル庁がデータ連携基盤の整備を進めるなど「IT統制、データ分析のために1対1でつなぐのではなく、N対Nでつなぐ『iPaaS』が米国では主流になっている」と同社 取締役 常務執行役員 石田誠司氏は指摘。データの形式や種別を気にせずに“データをつなげる”ことの重要性を訴えると、同社では引き続き研究開発に投資していく姿勢を強調した。なお、その1つの成果として「HULFT Square」を2023年2月9日にリリース。先月には米国市場へも投入している。
実際にHULFT Squareを導入している企業は、ノーコード/ローコードを主とした内製化に注力したい意向があるとし、セゾン情報システムズでは下図のようなアーキテクチャを描き、内製化支援メニューなどで構築をサポートしていくという。
今後は、法務やHRといった領域でユースケースを示していく傍ら、エンタープライズ規模の企業に向けては「生成AI導入支援サービス」も提供。HULFT SquareとHULFT、DataSpiderを包括的にアップデートしていくことで、業務・業種、国・地域を跨いだデータ連携プラットフォームを構築していくとする。なお、約9年ぶりとなる「HULFT 10」のリリースも決定しており、「よりわかりやすく、皆さまの要望を反映していきながらも、世の中にどう役立てるかを考えながら最先端の機能開発も続けていく」と述べた。
具体的には、ECSやEC2などのコンテナ、オートスケールへ、インターネットダイレクト接続、APIアクセス機能による外部システム連携などに対応することで「HULFT 10では、これまで障害となっていた“制限”を取り除いていく」とセゾン情報システムズ 執行役員 CTO 有馬三郎氏は説明。学生や高専生などにもHULFTの技術に触ってもらえるようUI/UXを刷新したり、多くのエンジニアにも利用してもらえるよう他アプリケーションのコンテナと同様のベストプラクティスを採用したりと、製品イメージも刷新していくという。
加えて、HULFT Squareについては、四半期に一度の機能リリースを続ける中で「日米共同開発のスピードも上がってきた」と有馬氏。DataSpider Servista 4.5は来秋リリース予定であり、下図中の各項目を軸としながら開発を続けていくとして締めくくった。