2023年11月27日、金融データ活用推進協会(以下、FDUA)とFinGATE、Fintech協会は、3社の協創に係わるメディア向け説明会を開催した。
Fintech協会は2015年に法人化しており、ベンチャー企業約127社、大手企業を含めた約329社が参画している団体。現在、セキュリティやキャピタルマーケッツ、データ流通など、業態やテーマごとに10の分科会で会員向け勉強会を催している。Fintech協会 代表理事副会長/freee 執行役員社会インフラ 企画部長の木村康宏氏は、「勉強会やミートアップをアドホックに開催しており、産業界や官公庁の動きに参画したり、最近では『新NISA』のような金融教育も行ったりと、2015年のFinTechブームから共同・共創の事例が生まれている中で情報共有・発信に努めている」と説明した。
また、FDUAの取り組みについては、同協会代表理事の岡田拓郎氏が説明。設立から約1年が経過する中、2024年初頭から成果物を公表できるフェーズにまで来ていると自信を見せる。たとえば、金融機関各社のデータ活用に係る取り組みについて「会員間事例MAP」として表形式で整理し、「事例集」として詳細を共有したり、データ分析コンペティションを通したデータ活用人材の育成・発掘に取り組んだりなどだ。後者については、2024年1月18日(予定)から「第2回金融データ活用チャレンジ」として開催を予定している。他にも、2023年6月に公開した「金融データ活用組織チェックシート」を100社規模までに拡大していき、データ分析プロセスの標準化やハンドブックを作成。地域経済活性化に向けては、業界横断型のデータ連携について分科会を設立しながら議論を進めていたり、生成AIのガイドライン策定やユースケースの創出、不正・犯罪対策における情報交換を行っていたりと、多くの活動が結実してきているという。
最後に平和不動産 ビルディング事業部 主任の荒大樹氏が登壇。東京証券取引所ビルなどを所有している同社では、兜町エリアを中心に再開発を進めているとして、インベストメントチェーンにおける新興のアセットマネジメント企業を中心に、FinTechを核とした“兜町スタートアップエコシステム”を構築していくとする。現在、金融系スタートアップの集積地としての「FinGATE」を運用し、金融庁や東京都をはじめFDUAなども入居しているとして「行政・業界団体が集積していることが強みだ」と荒氏。2023年10月からは「FinGATE CLUB」というコミュニティラウンジを提供しており、11月27日よりFDUAとFintech協会との連携を開始し、所属企業に無償提供するという。