Autodeskは、米国時間11月13日から15日にかけて「Autodesk University 2023」を開催し、複数の建設業向けソリューションの新機能および機能拡張を発表した。
今回発表された機能は、排水施設の設計と水管理を効率化するAIと機械学習(ML)の機能に関するもの。同社は、建設環境のプロジェクトに欠かせない排水設計をサポートするため、新しいML Delugeツールを追加し、InfoDrainageの機能を強化したとのことだ。同ツールにより、設計者は新たに組み込まれたAIを利用して、敷地の地表に水が流れ込んだ際の洪水マップを予測できるとしている。また、設計の即応性と効率性が向上することから、雨水制御の試行に費やす時間が短縮され、土木技術者は持続可能で弾力性のある排水計画の作成に取り組めるという。
同社は今後、下水道設備検査のために、VAPARのAI画像技術をInfo360 Assetに統合することを検討しているという。VAPARの技術は、下水管内に問題があった場合に自動で警告を発するもの。これにより、オペレータによる下水道検査の映像を長時間見続ける業務が不要となり、設備投資コストが削減されるとしている。
また同社は、AECの新しいデータモデルAPIをパブリックベータ版として提供開始することも発表。現時点で、Revit向けのパブリックベータ版が提供されているが、今後さらにオープンでアクセスしやすいデータを利用することで、新しい構造化データを適切な人々に適切なタイミングで提供できるようにするとしている。
さらに、Autodesk Construction Cloudの新機能をプライベート・ベータ版として発表。アップデート版のモデルビューアを使用することで、BIMモデルのデータを現場で利用できるという。Autodesk Buildのスケジューリングツールには、新たな機能としてWork Planningが加わり、不足の事態が生じた場合にプロジェクトマネージャーが目先のスケジュールをすばやく調整できるようになるとしている。新しい拡張フィルタ機能では、建設事業者によるビューのカスタマイズが可能。そして、3D進捗追跡により、アセットにモデルを関連付け、プロジェクトの進捗状況を視覚的に追跡することもできるとのことだ。
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