IHIと横浜国立大学は、2019年に同大学に開設したAI技術に関する共同研究講座を、2027年までの3年間延長するとともに、人材交流と人材育成およびAI技術の社会実装を加速していくことに合意した。
IHIは、2004年に横浜国立大学と「産学連携に関する包括協定書」を締結して以降、様々な技術分野で共同研究や議論を実施してきたという。横浜国立大学では、2016年に学内外の組織の枠にとらわれず、AI技術に関する先進的な学術研究や産学官連携プロジェクトを積極的に推進する、横浜国立大学人工知能研究拠点が発足。包括協定のもと、同拠点と連携する共同研究講座を2019年7月に設立し、IHI社内向けの教育・技術レビューや共同研究を行い、AI分野における技術開発と人材育成に取り組んできたとしている。
これまで同講座は、IHIグループ全体の基盤技術開発を推進する技術開発本部が推進してきたが、人材交流と人材育成およびAI技術の社会実装を加速するため、IHIグループ全体のDX推進を支援する高度情報マネジメント統括本部が新たに体制に加わるという。
また、横浜国立大学における講座設置先も、ビジョンドリブン型組織である総合学術高等研究院に移り、この新たな体制のもと、AIを活用した製造・物流現場の効率改善や知識・技能の伝承などといった研究開発テーマに取り組んでいくと述べている。
共同研究講座の概要
- 名称:IHI人工知能共同研究講座
- 期間:2019年7月1日~2027年3月31日
- 内容:人工知能を用いた社会・産業イノベーションを目的に、人工知能に関する技術レビュー、人工知能に関する人材育成・教育、および人工知能とその応用についての共同研究を行う
- 連携先:横浜国立大学 総合学術高等研究院
- 担当教員:横浜国立大学 総合学術高等研究院 革新と共創のための人工知能研究ユニット 長尾智晴 上席特別教授
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