佐川急便とグーグル・クラウド・ジャパンは、DXを活用した総合物流機能の強化に向けた戦略的パートナーシップ協定を締結した。
同協定により、佐川急便が持つトータルロジスティクス機能を支えるデジタル基盤と、Google Cloudのデータ分析やAIなどの最新テクノロジーを組み合わせ、物流業務の自動化・省人化を推進。提案領域の拡大や顧客のニーズに応える次世代物流システムの開発を目指すとしている。
パートナーシップの第1弾として、両社はラストワンマイル配送におけるAIソリューションを活用した業務の効率化に取り組む。従来は、繁忙期・閑散期に合わせた物量の増減や集配作業に要する時間を加味するなど、経験をもとに集配エリアを設定していたが、改善の余地があったという。今回、佐川急便が有する配送のデジタル基盤をもとにGoogle CloudやGoogle Maps Platformを活用することで、AIによる集配エリアの最適化や過去のデータに基づく将来の集配予測、必要な人員リソースの適正化の検討を行うとのこと。また、トライアルで導入したDXを通じて、総配達時間の短縮や車両台数の削減を検証し、効率的な配達ルートに変更したことによるCO2排出量の削減効果を確認していくとしている。
加えて、今後はGOALビジネス(佐川急便とグループ各社の機能を融合し、顧客企業に提供する物流ソリューション)の一環として、Google Cloudのデータ分析プラットフォームの活用や、AIとIoTデバイスを使った物流の可視化を通じたサステナブルな物流の実現など、各種施策の検討を行っていく予定だという。
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