2025年2月3日、内閣官房 内閣サイバーセキュリティセンター(以下、NISC)が実施する「サイバーセキュリティ月間」に係るキックオフイベントが開催された。
同月間は、同年2月1日から3月18日にかけて行われ、サイバーセキュリティに関する普及啓発活動を集中的に実施する。今年で15回目を迎える同月間の今回のテーマは「家庭や職場で話し合い、見直したいセキュリティ対策」。月間の前半はファミリー層、後半は中小企業を重点とした広報を実施するという。また、セミナーやCTFなど、計170件以上のイベント開催を予定している。
キックオフの冒頭、NISC 総括副センター長の木村公彦氏は、近年のサイバーリスクについて個人と企業の2つの観点から紹介した。
「個人で警戒すべきサイバーリスクとしては、フィッシングとサポート詐欺が挙げられる」と木村氏。フィッシング攻撃は、被害総額約24億4000万円と過去最悪だった2023年に続いて、2024年も高い水準を保っている。サポート詐欺においても、IPA情報セキュリティ安心相談窓口への相談件数が増加傾向にあるとのことだ。
企業が注視すべきサイバーリスクとしては、ランサムウェアが挙げられた。2024年上半期に全国の都道府県警察から警察庁に報告された件数は114件で、前年と引き続き高い水準で推移している。中でも、中小企業の被害件数が73件と過半数を占めており、木村氏は警鐘を鳴らした。
「サイバー犯罪の被害に遭わないためには、一人ひとりが基本的な対策を徹底することが重要です。今回の月間では、その重要性をマンガ風に表現し、わかりやすく対策が学べるパンフレットを制作しました」(木村氏)
また、同月間の広告塔であるチョコレートプラネット(以下、チョコプラ)が登壇。TT兄弟ならぬ「セキュリTT兄弟」として、啓発活動を進めていくという。その他、鬼越トマホークとガンバレルーヤがゲストとして登壇し、サイバーセキュリティに関するクイズ大会も開催された。
「感染警告の画面が出たときは、電話をかけずに落ち着いて偽警告画面を閉じること」「SNSなどのパスワードは長く複雑なものにすること」といった啓発が行われた後、最後にチョコプラは「(サイバーセキュリティについて)頭の片隅に入れておくだけでも構いません。“セキュリT”で覚えてください」と重要性を呼びかけた。
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