チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ(以下、チェック・ポイント)の脅威インテリジェンス部門であるチェック・ポイント・リサーチ(CPR)は、2025年第1四半期のグローバルサイバー攻撃レポートを公開した。
2025年第1四半期における世界のサイバー攻撃数
2025年の第1四半期(2025年1〜3月)、サイバー攻撃は世界中で急増し、企業はより多くの巧妙化した攻撃に直面したという。1組織当たりの週平均サイバー攻撃数は1,925件に達し、2024年同期との比較で47%増加。サイバー犯罪者が手口の適応と進化を続ける中で、教育・研究、政府・軍関係、通信などの業界が最も多くの攻撃にさらされていることも明らかになったとしている。
47%もの急増は、絶えず進化を続ける脅威環境において、企業が堅牢なサイバーセキュリティ体制を維持する上で直面する課題の増大を浮き彫りにしたという。
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業界別のサイバー攻撃
あらゆる業界がサイバー攻撃に直面する中、「教育・研究分野」が2025年第1四半期に最も多くの攻撃を受け、1組織当たりの週平均攻撃数は実に4,484件に上り、前年比73%増という数字を記録。次いで「政府・軍関係」への攻撃が多く、前年比51%増の週平均2,678件だったという。一方、攻撃の増加率が最大だったのは「通信業界」で、前年比94%の大幅な急増となり、1組織当たりの週平均攻撃数2,664件に達したとしている。これらの業界は、デジタルインフラへの依存度の高まりとともに、重要インフラ部門としての公共性の高さが相まって、脆弱性の悪用を狙うサイバー犯罪者の格好の標的となっているとのことだ。
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地域別のサイバー攻撃
世界の地域別では、アフリカ地域が週平均サイバー攻撃数の最多を記録し、1組織当たりの週平均攻撃数3,286件、前年比39%の増加を示したという。アジア太平洋地域(APAC)でも攻撃件数が大幅に増加し、週平均2,934件で前年比にして38%増加。一方、攻撃の増加が最も顕著だったのはラテンアメリカ地域で、前年比108%もの増加率を示し、1組織当たりの週平均サイバー攻撃数は2,640件に達したとしている。
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ランサムウェア攻撃の急増
ランサムウェア攻撃は段階的な拡大を続けているという。2025年第1四半期、ランサムウェア攻撃は前年同期比で126%増加し、合計2,289件のインシデントが報告されたとのことだ。ランサムウェア攻撃の大半は「北米地域」で発生しており、報告されたケース全体の62%を占め、次いで「ヨーロッパ」が21%と続く。
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ランサムウェア攻撃で最も狙われた業界は「消費財・サービス業界」で、全世界で報告された攻撃の13.2%を占めたという。「ビジネスサービス業界」が9.8%、「工業製造業界」が9.1%という僅差で続く。ランサムウェアグループ、特に二重恐喝の手口を用いるグループは、攻撃の範囲と影響を世界中のあらゆる業界に拡大しているとのことだ。
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なお、同レポートで使用している統計およびデータは、チェック・ポイントのThreatCloud AIプラットフォームが検出したデータに基づいているという。
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