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SAP独自の予測AIモデル「SAP-RPT-1」、年内にベータ版を提供予定

 SAPジャパンは12月4日、エンタープライズ向けAI領域において、IT部門や開発者の支援を強化するための新たなソリューション群を発表した。今回の発表には、AIエージェント開発や業務用AIモデル、データ基盤拡充、ABAP資産のクラウド移行支援に関する取り組みが含まれている。

 まず、開発者が自社業務に合わせてAIエージェントを開発できる「Joule Studio」の一般提供を2025年内に開始する予定だ。Joule Studioでは、SAPの業務データやコンテキストを活用し、業務状況に自律的に対応するエージェントをローコード・ノーコードで開発できる。外部のModel Context Protocol(MCP)サーバーへの接続にも対応し、初期リリース後は、AIエージェント同士の連携などの機能拡充が計画されているという。

 あわせて、SAP Buildに新たなAI機能を搭載。これにより、Cursor、Claude Code、Cline、Windsurfなどのエージェント型開発ツールを活用し、自由度の高いアプリケーション構築・自動化が可能になる。Visual Studio Code用の新しいSAP Build拡張機能も提供され、今後は他の開発環境向けにも利用できる見通しだ。また、n8nとの連携強化も進める。

 AIモデルについては、業務用リレーショナルデータに特化した「SAP-RPT-1」モデルを発表した。従来、顧客ごとに個別学習が必要だったAIモデルと異なり、RPTモデルはSAPのテーブルや関係性をあらかじめ学習済みで、多様な業務シナリオに即適用できる点が特徴だ。ベータ版は2025年内提供予定で、今後は標準AIシナリオやAPI経由での活用も可能となる。

 オンプレミスERP環境からクラウドERPへの移行を支援するAI機能「Custom Code Migration」も2025年10月に提供を開始した。これにより、従来手作業だったABAPカスタムコード修正作業をAIが支援し、移行作業の効率化が期待される。

 データ活用面では、SAP Business Data Cloud(SAP BDC)の拡張として「SAP Snowflake solution extension for SAP Business Data Cloud」を2026年第1四半期に提供する。これにより、SAP BDCとSnowflake間でゼロコピー共有が可能となり、データインサイトやアプリケーション開発、AIによるビジネス変革支援を実現。また、SAPはDatabricksやGoogle Cloudなどの既存統合を補完し、開発者が多様なデータ基盤を選択できる環境を整備する。

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