Sansanは2026年3月30日、同年1月に施行された中小受託取引適正化法(以下、取適法)の3ヵ月後における企業の対応実態を明らかにするため、「取適法施行後の実態調査」を実施したと発表した。
調査の結果、受注者の6割は取適法施行後も価格協議が増加しておらず、価格協議が増加した企業では「契約書や発注書を確認できるようにすること」が重要な取り組みとして最も多く挙げられたという。また、発注者の9割が取適法への対応を進める一方、約6割が中小受託事業者の特定に課題を抱えるなど、一部に課題が残る状況が浮き彫りになったとのことだ。
調査結果
取適法施行後、受注者の4割以上は価格協議が増加する一方、6割は協議の機会が増加せず
受注者に対し、取適法施行後に価格協議が増加したかを尋ねたところ、「増加した」と回答した割合は43.2%となり、「変わらない」と回答した割合が56.8%と約6割を占めた。価格協議が推進されはじめている一方、まだ変化を感じていない担当者が多い状況がうかがえる。
価格協議推進に重要なことは「契約書や発注書を確認できるようにすること」と6割以上が回答し最多
「価格協議の機会を増やすために、重要だと思うこと」を聞いたところ、前問で取適法で価格協議の機会が「増加した」と回答した層では、65.1%が「契約書、発注書などで取引条件を確認できるようにすること」を挙げ、最多だった。一方、価格協議の頻度が「変わらない」と回答した層は、同項目について52.1%が重要項目として挙げており、10ポイント以上の差が生まれている。
取適法では「書面での取引条件の明示」を定めているが、明示するだけにとどまらず、「管理・可視化」をすることが価格協議を推進するうえでの重要な基盤であることが示唆されたという。
受注者の7割以上が「契約書や発注書が手元になく、価格交渉をためらった経験」があり、「契約変更を把握できておらず、誤った取引をした経験」がある人も約2割
受注者に対し、「これまでに、契約書や発注書など取引条件を明示した文書が手元にないために価格交渉をためらった経験があるか」を聞いたところ、72.1%が「ある」と回答。価格協議を進める意思があっても、契約情報へのアクセス環境の不備が交渉の障壁になっている実態が浮き彫りになったとしている。
また、「これまでに、契約内容の変更を把握できていなかったために、誤った条件で取引をしてしまった経験はあるか」についても、「誤った内容で取引をした経験がある」と回答した人が17.1%にのぼった。法改正で契約内容の変更が増加する中、変更点も含めて契約情報を管理し、最新の契約条件を把握することが適正な履行においても不可欠であることが示唆されているという。
発注者の約6割が「(取適法の)対象企業の特定」に課題があり、理由は「企業情報の個別収集」が最多
発注側である委託事業者の中で取適法の対応をすることの多い法務担当者に対し、取適法の対応状況を聞いたところ、87.4%が対応を「行っている」と回答し、対応が進んでいることが確認されたとのことだ。
一方、取適法の改正により「受託事業者」の対象範囲が広がった中で、新たに増加した受託事業者の特定について、59.5%が「課題がある」と回答しており、「問題なく対応できている」と回答したのは40.6%に留まる結果となった。
課題が残る理由として最も多かったのは「企業情報を個別に確認・収集する必要がある」(32.9%)だった。取適法の改正により従業員数が新たな基準として加わったことで、情報収集の煩雑さが対応の課題になっている実態が明らかになったとしている。
調査概要
- 調査名:取適法施行後の実態調査
- 調査方法:オンライン上でのアンケート調査
- 調査地域:全国
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調査対象
- 受注者:勤務している会社が中小受託事業者に該当し、受託業務を担当する会社員743名
- 発注者:勤務している会社が委託事業者に該当する法務担当者143名
- 調査期間:2026年3月11日~2026年3月16日
- 調査企画:Sansan株式会社
- 補足:同調査結果において、比率は小数点以下第2位を四捨五入しているため、必ずしも合計した数字が100%にならない場合がある
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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