2026年6月11日、Kongは事業戦略説明会を開催した。
Kongは同日、「The Kong Agentic Era World Tour Tokyo Leadership Forum」というイベントを開催しており、日本法人の代表取締役社長 有泉大機氏は「APIから、より『エージェント時代』に向けたメッセージを発信していく」と話す。これにあわせて、本国から幹部陣も来日。カール・マットソン氏がKongの歴史を振り返ると、デヴィッド・カーレス氏がエージェント時代における同社の事業戦略について説明した。
コネクテッドカーをはじめ、エッジ端末でのAI需要が高まると、あらゆる情報を知り尽くしたAIが求められるようになる。多くのAIモデルが存在し、静的/動的なデータも分散しながら存在する状況下、実際にエージェントを利用するとハルシネーションが発生してしまう。「モデルや推論方法、プロンプトが悪いわけではない。接続に要因があり、必要なときに適切なデータにアクセスできるかどうか。そのためのガバナンスとセキュリティをKongが提供する」と話す。
複数モデルに基づいたエージェントは、MCPサーバーを経由してあらゆる場所にアクセスしようとする。あらゆる端末にエージェントが用いられるようになると、それらの真正性も見極めなくてはならない。しかし、管理ツールが断片化している状況では全体の制御が困難になり、セキュリティ侵害の機会やリスクを生み出してしまう。そこでKongは、ガートナーなどが提唱している「コンテキスト・メッシュ」という考え方に基づいたサービスを展開。コンテキスト・メッシュにより、バックエンドのAPIやデータベース、ファイル、アイデンティティ管理システムなどを統合し、適切な認証とアクセス制御を実現するという。どのようなAIエージェントが通信し、MCPサーバーを使っているのかといったオブザーバビリティも確保できるとした。
日本市場においては、製造業や金融業、小売業を中心としてAIエージェントの活用が増えているという。AI駆動開発の登場により、マイクロサービス化のハードルも下がってきている一方、依然としてレガシーシステムが残っている企業は多い。「AIエージェントは、正しいデータを適切なタイミングで受け取れてこそ機能する」と有泉氏。既に常石造船社では、資材調達にかかわるミッションクリティカルシステムを17年間塩漬けにしていたものの、AIエージェントを活用することで約2年必要な調査期間を2日に短縮できたという。

日本法人では、AIエージェントの投資意欲が高い、3つの業界(金融、製造、小売り)に注力していきながら、コンサルティングファームと大手SIerを中心としたエコシステム拡充にも取り組むとする。現在、15社のパートナー関係にあり、1年後には30社、3年後には50社まで拡大していくとのことだ。
「1年以内に、売上とビジネス規模を倍増させていく。エンタープライズの営業部隊やカスタマーサクセスを拡充していきながら、国内データセンターも1年以内に稼働を開始する予定だ」(有泉氏)
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岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)
1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。
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