IDC Japanは14日、2007年下半期の調査結果に基づいた2008年~2012年国内IT投資規模予測と、各産業分野における企業規模別のIT投資動向について発表した。
同調査によれば、企業規模別の2007年のIT投資成長率は、大企業(1,000人以上)が2.6%、中大規模企業(500~999人)が6.6%、中規模企業(100~499人)が4.4%、小規模企業(1~99人)が4.3%で、大規模企業のIT投資成長率が伸び悩む一方で、SMB(Small and Medium Business:中堅中小企業)のIT投資は堅調に推移していることが明らかになった。
2008年の大企業におけるIT投資は、大手銀行のシステム統合などの大型案件のほかに、コンプライアンス対策や基幹システム統合/再構築などのIT投資需要から成長率は上昇する見通し。SMB市場では、関連会社/取引先の大企業からの要請によるシステム基盤整備・強化、セキュリティ機能の拡充などが促進要因となり、中大規模企業を中心にIT投資が活性化している。また、ITベンダーが促進しているSaaS/ASPの活用といった効率性の高いIT投資がSMB市場において広く受け入れられる見込みもあるという。
企業規模に共通したIT投資動向としては、企業の競争力強化に向け、ITを活用した従業員の生産性向上策が2007年に引き続き増える。2008年の前年比成長率については、大規模企業が4.1%、中大規模企業が5.0%、中規模企業が3.9%、小規模企業が3.9%となる見込みだ。
また、2007年から2012年まで5年間のIT投資年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は国内IT投資全体で1.7%、1,000人以上の大企業で2.3%、中大企業規模で3.5%、中規模企業で2.9%、小規模企業で2.9%、営利企業以外(官公庁、教育、消費者市場)ではマイナス2.3%となると分析している。