間接販売比率は2011年から3年間で9.6ポイント上昇
国内外付型ディスクストレージシステム市場に占める間接販売比率は一貫して上昇している。間接販売比率は、2011年は44.5%だったが、2014年は54.1%に達し、この3年間で9.6ポイント上昇した。
外付型ディスクストレージシステムの間接販売比率が上昇しているのは、直接販売比率が高いハイエンド(システム価格3,000万円以上)市場が縮小する一方で、間接販売比率の高いミッドレンジ(同500万円~3,000万円未満)とローエンド(同500万円未満)市場が堅調に成長しているためだという。
2014年のオープンシステム向け外付型ディスクストレージシステムのクラス別間接販売比率は、ハイエンドが31.9%、ミッドレンジが64.7%、ローエンドが 69.9%だった。また、外資系ストレージベンダーを主体に、外付型ディスクストレージシステム販売を直接販売から間接販売にシフトする動きが加速していることも、間接販売比率が上昇した要因になっている。
IDCではチャネルパートナーに対して、ストレージベンダーの満足度と評価について直接インタビューを実施した。満足度調査(1~5の5段階評価で1に近いほど評価が高い)では、「総合満足度」の全体平均は2.43となった。これは、前回の2.55から改善の方向に変化した。
新興ベンダーが提供するオールフラッシュアレイなどに対する評価や期待が高い
改善の方向に変化したのは、今回の調査からストレージの新興ベンダーに対する評価を加えたことが影響している。新興ベンダーの総合満足度は2.12だった。一方、大手ベンダーのみの総合満足度は2.50で前回調査とほとんど変わらなかった。
新興ベンダーの総合満足度が高かったのは、新興ベンダーが提供する製品(オールフラッシュアレイやハイブリッドフラッシュアレイなど)に対する評価や期待が高かったためだという。新興ベンダーは事業を開始してから年数が少ないため、国内における販売/サポート体制は未整備な部分もあるが、製品に対する期待が高い総合満足度に結びついた。
また、今回の調査ではチャネルパートナーにおけるベンダーの扱い比率が変動し始めたことがわかった。変動し始めた要因の1つは、フラッシュデバイスのみを搭載したオールフラッシュアレイの本格的な成長が始まったことが影響している。
2014年はチャネルパートナーの中で、新興オールフラッシュアレイベンダーの扱いが増えたが、2015年に入って大手ベンダーのオールフラッシュアレイの強化に伴い、チャネルパートナーの中で大手ベンダーのオールフラッシュアレイの扱いが上昇いる。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ/IPDS/PCs グループディレクターの森山正秋氏は、「取り扱いストレージ製品の多様化が進む中で、チャネルパートナーがビジネスを拡大し収益を向上させていくためには、自社のビジネスモデルに適応した製品ポートフォリオを確立することが重要になっている」と分析している。
今回の発表はIDCが発行したレポート「2015年 国内ストレージチャネル調査 」にその詳細が報告されている。