デタッチャブルタブレットは前年同期比52.5%増の台数で出荷比率23.5%に
市場の中心である家庭市場向けタブレットは、通信事業者向け出荷を中心としたファーウェイが市場をけん引し、前年同期比プラス成長となりました。一方、ビジネス市場向けの出荷は、学校などの案件はいくつかあったものの、ここ数四半期同様、B2B2Cなどの大型案件がなかったことや、企業におけるタブレット需要が低かったことがマイナス成長の主な要因になった。
タブレット市場を「デタッチャブルタブレット」(ハードウェアキーボードが脱着できるタブレット)と「スレートタブレット」(通常のスレート型タブレット)で分けて見ると、デタッチャブルタブレットの出荷台数は42万台(前年同期比52.5%増)、スレートタブレットは137万台(前年同期比3.3%減)となった。
また、デタッチャブルタブレットの出荷比率は23.5%と、徐々にタブレット市場の中で出荷比率が高くなってきている。デタッチャブルタブレットは、従来Windowsタブレットが中心だったが、2015年第4四半期(10月~12月)以降、アップル iPad Proの出荷開始によってこの比率が高まってきていることが大きな要因となっている。
アップルは前年同期比9.6%増と出荷台数を伸ばし、43.8%の高シェアを維持
2016年第2四半期の国内タブレット市場出荷台数の上位5社は、アップル、ファーウェイ、NEC Lenovoグループ、京セラ、エイスースとなった。アップルは、前年同期比9.6%増とiPad Proの出荷およびiPad Air2の価格改定により出荷台数を伸ばし、43.8%と高いシェアを維持している。またファーウェイは、通信事業者向け出荷が好調に推移し前年同期比で約7.2倍の出荷台数となった。
今後の見通しに関し、IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は、次のように述べている。
「デタッチャブルタブレットは、タブレット市場全体を底支えし市場の4分の1に近づきつつある。またデタッチャブルタブレットは、CPUが高性能化しつつあり、特に家庭市場ポータブルPCのプレミアムゾーンを置換える存在となってきている。今後スマートフォンに慣れたユーザーがPCの購入を検討する際、スマートフォンに近い操作性でPCを操作できるデタッチャブルタブレットが選択される可能性が高まっていくだろう」
今回の発表は、IDCが発行した「国内モバイルデバイス市場 2016年第2四半期の分析と2016年~2020年の予測」にその詳細が掲載されている。