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ガートナー、「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2016年」を発表

  2016/10/05 15:15

 ガートナー ジャパンは、「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2016年」を発表した。このレポートでは、近年ガートナーがその重要性を強調しているNexus of Forces(力の結節:モバイル、ソーシャル、クラウド、インフォメーションという4つの力の強固な結び付き)との関連性と、デジタル・ビジネスの進展への貢献という視点から、代表的な38のキーワード(テクノロジ、方法論、プラクティス、コンセプト)を選定し、日本国内におけるトレンドを示している(図参照)。

図:日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2016年(出典:ガートナー、2016年9月)  

可能性のあるテクノロジを見極め積極的かつ早期に投資することが重要

 ガートナーのハイプ・サイクルは、市場に新しく登場したテクノロジがまず過熱気味にもてはやされ、熱狂が冷める時期を経てから、市場が確立し、市場分野における意義や役割が理解されるようになるまでの典型的な経過を示したもの。ハイプ・サイクルのメッセージは、至って単純明快で、企業はハイプが起こっているというだけの理由でそのテクノロジに投資すべきではなく、初期の過剰な期待にかなっていないというだけの理由でそのテクノロジを無視すべきでもない。

 自社に利益をもたらす可能性のあるテクノロジを見極めた上で、積極的かつ早期に投資することが重要である。一方、自社にとって影響の小さいテクノロジについては、早期に導入した他社の状況を見つつ、テクノロジの成熟が進むまで自社での採用を見合わせることも得策となり得る。

 2007年より発表している「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル」は、ユーザー企業のCIO、IT部門のリーダー、テクノロジ・ベンダーのマーケティング、製品開発、戦略企画担当者に向けて、先進テクノロジのポートフォリオを策定する際に考慮すべきトレンドを業種横断的な視点で示したものだ。

モバイル、ソーシャル、クラウド、インフォメーションは幻滅期に

 ガートナー ジャパンのリサーチ部門マネージング バイス プレジデント、長嶋裕里香氏は次のように述べている。

 「Nexusの構成要素である、モバイル、ソーシャル、クラウド、インフォメーションに注目してみると、モバイル(モバイル・コンピューティング)、クラウド(クラウド・コンピューティングおよびプライベート・クラウド・コンピューティング)、インフォメーション(代表としてビッグ・データ)は、すべて幻滅期に位置しています。ソーシャル・メディアについては既に生産性の安定期に達していますが、ソーシャル・アナリティクスが、2016年のハイプ・サイクルでは幻滅期に位置付けられています」

 「つまり日本では、モバイル、ソーシャル、クラウド、インフォメーションをビジネスで活用することが重要であるという認識の下、一定以上の企業では活用・実装フェーズに入りつつも、2015年に引き続き、成功するケースと同程度もしくはそれ以上に、取り組みにおいて困難に直面したり、想像との違いに当惑したりすることが多くなってきているといえます。しかし、各要素に対する注目度は依然として高く、モバイル、ソーシャル、クラウド、インフォメーションをそれぞれ個別に、あるいはこれらのいくつかを組み合わせてビジネスに生かすという考え方自体は衰えておらず、今後も多くの企業は、何らかの形でこうしたテクノロジの恩恵を受けるでしょう」

 「また、Nexusやさらに新たなテクノロジの活用は、デジタル・ビジネスの実現と推進の大きなドライバになるため、Nexusのみならず、新たなテクノロジの登場にも注目する必要があります。特に、モノのインターネット (IoT) や人工知能に関連するテクノロジについては、多くが黎明期に位置付けられており、テクノロジとしての成熟度は十分とは言えませんが、中長期的な視点に立って、今から綿密に調査することが必要です」

よりスピード感を持った実践をリードすることがITリーダーに求められる

 長嶋氏は次のように続けている。「本ハイプ・サイクルで取り上げたテクノロジは、これまでも、そして今後も、企業や利用者にさまざまな側面で影響を及ぼします。黎明期と『過度な期待』のピーク期に位置付けられているテクノロジは、成熟するまでに5年以上の時間を要するものがほとんどですが、革新的なテクノロジも多くあります。ここで注意が必要なのは、こうしたテクノロジは時に市場に混乱をもたらす、ということです。そのためITリーダーは、これまで以上に注意深く、『真の』テクノロジとそのメリットを見極める力を備えなければなりません。そして、このような状況下においては、調査はもちろんのこと、それに加えて可能性を探ることを前提にした実践的なアクションを、より早く、自ら起こすことが求められます」

 「デジタル・ビジネスの実現やこれまでとは異なるテクノロジの活用は容易ではなく、支援サービスの活用が進む可能性があることも事実です。そして、テクノロジによってそれらのサービスに差異が生じることも考えられます。テクノロジの力がこれまでにも増して大きくなり、かつその進化のスピードが速くなっていることから、ITリーダーには判断が求められ、ITリーダーに寄せられる期待も大きくなります。あらためて1つ1つのテクノロジを、そしてより広い視野から複数のテクノロジやサービスの関連性を読み解き、よりスピード感を持った活用や組み合わせの実践をリードすることが、企業のITリーダーに求められていると考えます」

 

 ガートナーでは、10月5日から7日まで東京・高輪で開催する「Gartner Symposium/ITxpo 2016」で、前出の長嶋氏をはじめ、ガートナーの国内外のアナリストやコンサルタントが、デジタル・ビジネスとデジタル・テクノロジについて、さらにIT全般に関する従来の観点も含めて、幅広い提言を行う。

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著者プロフィール

  • EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

    「EnterpriseZine」(エンタープライズジン)は、翔泳社が運営する企業のIT活用とビジネス成長を支援するITリーダー向け専門メディアです。データテクノロジー/情報セキュリティの最新動向を中心に、企業ITに関する多様な情報をお届けしています。


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