「HPE 3PAR」の新機能は、クラウドネイティブのアプリケーション、データセンター全体にわたるオーケストレーション、Tier-1ストレージの復旧力、およびストレージクラスメモリ(SCM)やNVM Express(NVMe)のような新しいテクノロジーへのシームレスな移行パスを提供し、第3の波からの要求に応える、将来に備えたソリューションを提供するという。
発表された新技術は次のとおり。
・「3PAR Adaptive Data Reduction(ADR)」:包括的なデータ容量削減機能により、容量確保に必要なコストを削減。
・「3PAR Peer Persistence」:さらに遠距離のディザスタリカバリにも対応しリスクを軽減。
・「HPE Recovery Manager Central(RMC)」:オフプレミスのコピー管理機能により、データ保護の対象を3PARアレイ以外にも拡大。
・「3PAR StoreServ Management Console(SSMC)」:自動化機能拡張により、業務の俊敏性を向上。
「3PAR Adaptive Data Reduction(ADR)」機能は、必要な容量を75%削減し、インラインの重複排除から圧縮までをカバーし、選択的に適用できるだけでなく、システムリソースを無駄にしないインテリジェンスが組み込まれている。また、他のフラッシュストレージアレイに負担をかけるガーベッジコレクション処理プロセスを回避するようデータ書き込みが行われる、独自の「3PAR Data Packing」アルゴリズムを通じて、単なる圧縮を超えた機能を提供する。
さらに、最新版の「3PAR OS」には、以下の機能が提供される。
- iSCSI経由で実行されるアプリケーションを加速し、「3PAR Express Writes」最適化を通じてレイテンシーを最大40%削減。
- ホストとのコネクティビティ強化とマルチテナントIPネットワーキングなど、iSCSIのアップデートによりクラウドコンピューティング展開に対するサポートを向上。
- 拡張性を倍増し、プロビジョニングを自動化し、異なるプロトコル間のファイル共有を可能にした「3PAR File Persona」の機能強化により、さらに多くのワークロードに対応。
これらの機能強化は、購買プロセスを簡素化しコストを最大30%削減する、新しい包括的ライセンススキームの一環として、無償で提供される。また「HPE 3PAR Flash Now」の取り組みにより、シンプルなクラウド的消費モデルを通じ、使用ギガバイトあたり極めてわずかな月額利用料で、アップグレードされた「3PAR」フラッシュアレイをネットワーキングとデータ保護機能とともに利用することができる。
「HPE 3PAR Peer Persistence」は、コアでの透過的なアプリケーションとホストのフェールオーバーを実現し、ハイブリッドIT展開におけるリスクを軽減する。現在、遠隔地にある3か所のデータセンターにおいてディザスタリカバリを行えるようになった。
「HPE Recovery Manager Central (RMC) 」は、アレイを超えたデータ保護を実現するため、シームレスなApplication-Managed Snapshot、および「3PAR」からセカンダリの「HPE StoreOnce Systems」へのデータ移動をサポートしている。最新版の「RMC」は、市場をリードするISV製品と比較して23倍のバックアップ速度と7倍のデータリストア速度を提供し、さらにCPUリソース消費を9分の1に削減しているため、アプリケーションサーバーへのバックアップの影響が最小限に抑えられる。
「HPE 3PAR StoreServ Management Console(SSMC)」には、最大24の「3PAR」またはサポートされるサードパーティ製ストレージシステムへの大規模なデータ移動を自動化し、そのためのスケジュールを設定する機能が提供される。また「SSMC」には、Fibre ChannelネットワークのSANゾーン設定を完全に自動化し、ワンクリックで行うことのできる「HPE Smart SAN」も組み込まれ、ファブリック調達に必要な作業を90%削減する。
なお、次世代の「HPE 3PAR」オペレーティングシステム(3PAR OS 3.3.1)は2017年第1四半期に、サポート契約を締結している世界各国に無償で提供される。「HPE Peer Copy」と「HPE Recovery Manager Central」は2017年第2四半期に、サポート契約を締結している「3PAR」および「StoreVirtual VSA」の世界各国で提供される。