ホートンワークスは米国のYahoo!から生まれたApache Hadoopのディストリビュータ。米国本社のHortonworksは1100人の社員を有し、IPOを果たしている。日本支社のホートンワークスジャパンは2014年に設立され、すでに国内でLIXIL、リクルート、ヤフーなどの大手顧客と12社の販売パートナーを持っている。
3月に新社長に就任した廣川裕司氏は、日立、サン・マイクロシステムズ、BEAを経て、レッドハット社長としてオープンソースソフトウェア(OSS)の世界をリードしてきた人物。
4月21日のプレス向けの戦略発表では「会社のカラーも(レッドハットの)赤から、緑に変わり、信号の色が変わったようなもの。これからはフルスピードで拡大を目指す」と意気込みを示す。
ホートンワークスはApache系の次世代データプラットフォーム製品を提供している。おもにHadoopやSparkなどの蓄積系データ分析の「HDP(Hortonworks Data Platform)と、nifi、Kafkaといったストリーミング系データ管理を行う「HDF(Hortonworks Fata Flow)だ。これらにAWSやマイクロソフトのAzure HDInsightなどのクラウド系のサービスを加え展開していくという。
「HDFに関しては、これからIoTの機器から大量に入ってくるデータの収集と分析が狙い。今後サブスクリプションにして性能・機能・互換性を強化したプロフェッショナルサービスも提供する。」(廣川社長)
日本市場での展開としては、大手100社のCXOレベルに対して、密着型の「ハイタッチセールス」を行いつつ、パートナーによる裾野の拡大も目指す。そのために「現在12社のパートナーを早急に50社に増やしたい」と廣川社長は言う。
会見には三菱ふそうトラック・バスCIOのルッツ・ベックが登壇し、ホートンワークスのプラットフォームによって「コネクテッド・トラック」というIoTサービスをおこなっていると述べた。
Hortonworks Data Platform2.6を発売開始
さらに、Hortonworks Data Platform(HDP)バージョン2.6が紹介された。新機能としては以下の内容となる。
- LLAPという技術によりApach Hiveのインタラクティブ機能をより高速化
- ACIDマージ機能により全てのデータをHadoopでのデータメンテナンスを効率化
- データサイエンス向けに:Spark 2.1とZeppelin 0.7を正式対応
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リアルタイムアプリケーション開発向けに、Spark H-Baseコネクタを正式対応、またApache DruidをTech Previewでパッケージ
ー Apache Ambari 2.5による管理操作性の向上 - クラウドファーストの取り組みとして、AWS、Azureでいち早く利用可能
- IBM Power Systemsにいち早く対応
また、同社のマーケティングディレクターの北瀬公彦氏は、エンジニアコミュニティ「ホートンワークス・フレンズ」を拡大する計画を語った。
「ホートンワークス・ハブというミーティングイベントを月1回開催し、精通したファンを増やしていきたい。今年度は500名、2020年に3000名、5年後には1万名を目指したい」(北瀬氏)