国内スマートフォン出荷台数は同比30.1%増で851万台
2017年第1四半期の国内携帯電話出荷台数(スマートフォンと従来型携帯電話の合計)は、前年同期比9.0%増の879万台となり、2015年第1四半期の917万台に迫る出荷台数を記録した。2016年第1四半期以来の出荷台数の落ち込みは回復基調にあるといえる。
回復基調にある市場環境において、アップルは426万台のiPhoneを出荷し、前年同期比6.3%増となった。同社は国内携帯電話市場で48.4%のトップシェアを維持しており、日本市場での圧倒的な強さを保っている。2位はauKDDI、ソフトバンクの2社にローエンドモデルを中心に多くの供給を行った京セラが入り、3位には各キャリアに満遍なく出荷を行ったほか、ヤフーモバイル向け"Android One S1"が堅調な出荷を記録したシャープが入った。
また、従来型携帯電話の出荷台数は27万台で、前年同期比82.0%減の大幅な縮小となり、この市場は急速に終息を迎えているといえる。他方、スマートフォンは851万台の出荷で、前年同期比30.1%の成長となった(端数処理[四捨五入]の影響により出荷台数合計値の末尾は一致しない)。スマートフォン市場をベンダー別に見ると、アップルが50.0%のシェア、以下の順位は、携帯電話市場と同様、第2位に京セラがランクインし、シャープが3位となった。
SIMフリー端末は構成比9%の76.6万台で依然少数
その他、MVNO事業者向けに出荷されることの多いSIMフリーモデルは76.6万台となったが、構成比としてはスマートフォン市場全体の9.0%を占めるに過ぎず、成長基調にはあるものの依然として少数の出荷にとどまる厳しい状況が続いている。
IDC Japan PC,携帯電話&クライアントソリューションのシニアマーケットアナリストである菅原啓氏は「従来型携帯電話の急速な終息を受け、日本の携帯電話市場はスマートフォンへの移行が急テンポで進みつつある。その中で従来型携帯電話ユーザーの受け皿となるモデルの重要性が今後高まることは明らかである」とコメントしている。
また、「それと同時に世界的潮流として、有機ELパネルの採用やデュアルレンズカメラの採用がハイエンドモデルを中心に活発に進んでおり、VRプラットフォームであるGoogle Daydreamも、普及に向けた動きが活発化しつつある。規模の面から見ても、スマートフォンが今後のデジタルトランスフォーメーション(DX)において大きな役割を果たすことは明らかだ。我々は、日本の携帯電話市場の特殊性を前提とした市場理解をすると同時に、ハードウェア、ソフトウェア両面で世界的視野でのイノベーションに伍することが求められるだろう」と述べている。
今回の発表は、IDCが発行した「Worldwide Quarterly Mobile Phone Tracker」にその詳細が報告されている。IDC Trackerとは、IDC独自の調査手法に基づきICT製品・サービスの市