国内サイバー・セキュリティサービス市場の2016年度の売上金額は約2,420億円、前年度比9.5%増となった。近年のサイバー攻撃は、各企業の自社運用だけでは対応できないほど巧妙かつ高度化しており、被害はより甚大化している傾向が見られる。このサイバー攻撃からの被害を最小限に食い止めるために、セキュリティの専門家による24時間365日の監視サービスの必要性と重要性が一段と高まっている。
このような背景から、2017年度の売上金額は約2,660億円、前年度比9.8%増と引き続き順調な伸びを見込んでいる。市場の注目度の高まりとともに、参入ベンダーも拡大しつつあることから、2016年度から2021年度までの年平均成長率(CAGR)は9.5%、市場規模は3,800億円を突破すると予測している。
ITRのプリンシパル・アナリストである大杉豊氏は、「昨今の高度なサイバー攻撃に対しては、インシデント検知の難しさと、WAFやSIEMなどの運用の難しさが課題としてあげられます。また、セキュリティ領域を1社で全て網羅しているベンダーはないため、マルチベンダーへの対応が求められています。さらに、多くの企業では、変化の早いセキュリティ脅威に対し、自社だけでの対応が難しい現実もあります。これらの課題に対しては、マルチベンダーへの対応と複数製品を利用したセキュリティ対策、CSIRT構築を含めたインシデント検知/インシデント後への対応、外部セキュリティサービスの活用などが重要となります。企業はこれらの製品/サービスの導入を検討・採用することが望まれます」とコメントしている。
セキュリティインシデントに対し迅速かつ最適な対応を行うために、各ベンダーが提供するSOC(Security Operation Center)サービスやCSIRT(Computer Security Incident Response Team)構築運用支援サービスをはじめとしたコンサルティング・サービスに注目が集まっている。そこで、ITRではサイバー・セキュリティサービス全28分野を以下の3つのレポートに分け調査結果をまとめた。各レポートは6月15日から予約を受付開始する。
- 「ITR Market View:外部攻撃対策型SOCサービス市場2017」(全10分野/39ベンダー)、6月20日発刊
- 「ITR Market View:内部漏洩対策型SOCサービス市場2017」(全7分野/27ベンダー)、6月22日発刊
- 「ITR Market View:サイバー・セキュリティ・コンサルティング・サービス市場2017」(全11分野/38ベンダー)、6月27日発刊