ベンダー別売上では富士通がトップ、ヴイエムウェアとスプランクが急成長
仮想化やクラウド化によるITシステムの複雑化に対応するために、ITリソースやパフォーマンスの監視、ログ分析など新たなシステム稼動監視ソフトウェアを導入する企業が増えており、2016年における市場成長の主要因の1つとなった。また、運用工数の削減や運用ミスの軽減を図ることを目的とし、運用プロセス自動化ツールの販売も好調だった。
2016年のベンダー別の売上額シェアでは、富士通がシェアトップを獲得した。2位に日立製作所、3位にNEC、4位にIBM、5位にマイクロソフトが続いている。高い成長を達成したベンダーとしては、仮想化システム管理ソフトウェアを提供する6位のヴイエムウェアと、ログ分析ソフトウェアを提供する11位のスプランクがある。
企業はシステム可視化や運用自動化に対するソフトウェアの投資を継続
2017年の国内システム管理ソフトウェア市場は前年比5.3%増、2016年~2021年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は5.0%で成長するとIDCでは予測している。企業は複雑化するシステム運用の最適化を図るため、システムの可視化や運用の自動化に対するソフトウェアの投資を継続させ、システム管理ソフトウェア市場は堅調な成長が続くとIDCではみている。
IDC Japanのソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーである入谷光浩氏は「国内システム管理/ネットワークソフトウェア市場は、システム運用の可視化や自動化に対するソフトウェアへの投資が継続し、今後も堅調な成長が続くとみている。さらに、ITオペレーション分析やシステム管理SaaS(Software as a Service)、SDN(Software-Defined Networks)など新たな市場機会も出てきており、今後の市場成長を後押ししていくであろう」と述べている。
今回の発表について詳細は、IDCが発行したレポート「国内システム管理/ネットワークソフトウェア市場シェア、2016年:新たな成長分野の台頭」と「国内システム管理/ネットワークソフトウェア市場予測、2017年~2021年」に掲載されている。