IT部門とビジネス部門の関係性の変化
昨今、IT部門とビジネス部門の距離は加速度的に近づいてきた。そのような現状を踏まえ、ゴーヴァカー氏は、「これまでIT部門が多くの企業で、社内の裏方部門として扱われていた」と指摘、「企業が競争に勝ち残っていくためには、IT部門も表舞台に出なければならない」と続ける。デジタル時代において成長が期待できる企業を、以下の点に対応できる企業と定義する。
- ビジネス価値のために柔軟に部署の壁を越えることができる体制づくり
- IT部門と事業部門の協業によるバリューベースのフレームワークの構築
- 速いスピードでの継続した製品/テクノロジー提供
DevOpsの導入が企業の体制構築のカギに
企業はどうやって体制の整備、フレームワークを構築すればよいのか。同氏は最も有効かつ、取り組むことによる効果が期待できるとして、DevOpsの導入を勧める。
DevOpsとは、開発担当者と運用担当者の連携による開発手法のこと。同氏は、開発と運用の連携から一歩踏み込み、「ビジネス部門の代表者の参画が必須」と話す。ビジネス部門とも協業することで、提供しようとしている製品やサービスが要望に合致しているかを早い段階でチェックが可能に。ビジネス価値を提供するまでのサイクルタイムの短縮やビジネス価値の早期実現といった効果を、さらに強く発揮できるという。
また、多くの企業が頭を悩ませているコスト削減も"副産物"として期待できるようになる。「毎日リリースをする心構えで、インフラ環境を自動化する。早く小さく問題を重ねることで、問題を明確にして改善でき、大きな失敗の可能性を減少させられる。結果的にコストも削減にもつながる」(ゴーヴァカー氏)。