AIブームは日本国内でも着実に広まってきています。あらゆる企業で人手不足が叫ばれている現状を考えると、AIに頼っていくという流れは加速していくでしょう。しかし現状はAIというキーワードと先進的な事例が先行し、その裏側の仕組みや、現実的な取り組み方についての理解が追い付いていないように見受けられます。今回はAIを支えるディープラーニングと機械学習技術の紹介を中心に、導入までに必要な具体的なステップを見ていきたいと思います。また、後半では機械学習など様々な分析を行えるデータベース「Vertica」を用いて、センサーデータから機械の異常予兆を検知する方法もご紹介します。
Verticaの基礎を知りたい方は、アシストが開設している「Vertica技術情報サイト」の記事をご参照ください(Verticaとは)。
AIブームの背景
最近、「AI」という単語を見聞きする機会が多くなりました。その波はIT業界に留まらず、テレビでも特集が組まれたり、CMで商品のキーワードとして用いられるなど、世の中全体のブームと感じている方も多いのではないでしょうか。ITRの「IT投資動向調査2018」を見ても、AI/機械学習、そしてディープラーニングが新規投資対象分野として大きな注目を浴びていることがうかがえます。
これまでにも推論・探索やIF~THENベースのエキスパートシステムを利用した小さなAIブームがありましたが、実用的でなかったり、実際に運用するには多くの人手が必要だったりと、AIという単語から連想される、まるでコンピュータ自身が考えているような振る舞いには到底及びませんでした。
しかし、2012年にGoogleからコンピュータに大量の猫の画像を与えることで、コンピュータ自身が猫の特徴を理解し、猫の画像を認識できるようになるという研究結果が発表されました。この裏側で利用されている技術がディープラーニングです。また、2015年にはGoogle傘下のDeepMind社が開発したAlphaGoという囲碁AIが人間のプロ囲碁棋士に勝利しました。このAlphaGoにもディープラーニングが使われていました。AIが人間のプロ棋士に勝利するにはあと10年はかかるだろうと言われている中での勝利はとても大きな話題になりました。

図1 OS/ミドルウェア分野への投資意欲(プロット図)
(出典:ITR「IT投資動向調査2018」)
このようなAIにとっての明るい話題が重なったことでディープラーニング技術に注目が集まり、昨今のAIブームに繋がっていきました。
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佐伯 竜輔(サエキ リュウスケ)
株式会社アシスト データベース技術本部 入社後eラーニング製品、MySQL、InfiniDBのサポートに従事。現在は、Verticaのフィールドエンジニアおよびサポート担当として活動中。『SQL逆引き大全363の極意』共著。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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