Teradata Analytics Universe 2018が米国ラスベガスで開幕した。このイベント、昨年まではTeradata Partnersという名称で、テラデータユーザーのステアリングコミッティが中心となって企画、運営し、ユーザー同士が集い情報交換することが主体のカンファレンスだった。今回も基本的な主旨は変わっていないものの、名称も変わり少しテラデータ自身がメッセージを発信する色合いも強まったようだ。
アナリティクスを買うのをやめ、答えを出すことに投資を

チーフ・オペレーション・オフィサー
オリバー・ラッゼスバーガー氏
テラデータは昨年のTeradata Partnersで、Teradata Everywhereという戦略を発表し、クラウドでもオンプレミスでもさらには双方を利用するハイブリッド環境でもTeradataのアナリティクス環境を利用可能にすると発表した。これは技術的にどこでも利用できるようにしただけでなく、ライセンス形態も変更しどの環境でもソフトウェアを自由に利用できるようにもしたものだ。
Teradata Analytics Universeの最初の基調講演に登場したテラデータのチーフ・オペレーション・オフィサー オリバー・ラッゼスバーガー氏は、このTeradata Everywhereという戦略で顧客のビジネス変革をサポートすると語る。これはビジネス上の複雑さ、アナリティクスの複雑さをテラデータがシンプル化することでもある。
このシンプル化を象徴するためにテラデータでは、新たにブランドも刷新することにした。そしてロゴもシンプルな小文字ベースのものに変更したのだという。
この新しいテラデータのメッセージが、企業は「アナリティクスを買うのは辞めましょう」と、そして「INVEST IN ANSWER」で「答えを出すことに投資しましょう」というもの。これは企業には既にさまざまなアナリティクスのツールがあり、また多様なデータもありアナリティクス環境はかなり複雑化している。それを整備することにお金をかけるのではなく、ビジネスにより良い関与ができる「答え」を見出すことに投資すべきだということだ。
「新しいテラデータは、企業が業績を上げていくためのソリューションを持っています」(ラッゼスバーガー氏)
続いて登場したCEOのビクター・ランド氏は、現状ではデータがどこにあるのか分からない、そしてデータがあってもそれに対し何をして良いのかが分かっていない企業が多いと指摘する。その上でITテクノロジーの部隊はコストセンターと見られており、コスト下げてより多くのことを実現することが求められている。一方では新しい技術を使いビジネスを向上することも求められる。そのため投資対効果をどう出していくが重要であり、コストと効果の双方の折り合いをどう付けるかが課題となっている。

「データがどこにあるかを知り、それを活用できるようにする。それはTeradata Everywhereで実現できます。そしてこのTeradata Everywhereの中核となるプラットフォームがTeradata Vantageなのです」(ランド氏)
このTeradata Vantageは、昨年Teradata Analytics Platformとしてそのコンセプトを発表していたものだ。これは旧来のオペレーショナルなデータを分析するSQLエンジンであるTeradataと、さまざまなデータを高度に分析できる環境のTeradata Asterを1つに統合するもので、今回それらをさらに密に連携させ1つのプラットフォームTeradata Vantageとして提供を開始したのだ。
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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