市場実績のある製品群が揃いSOAのトータルソリューションの提供が可能に
2008年12 月1 日、SOA技術に基づくシステム統合ミドルウェアであるエンタープライズ・サービス・バス製品のリーダー企業であるソニックソフトウェアと、データベースアクセス技術に特化した「DataDirectConnect」シリーズを提供するデータディレクトテクノロジーズが統合し、新たに日本プログレスが誕生、田上一巳氏が代表取締役社長に就任した。
これに先立ち、2008年6 月には、本社となる米国プログレスが、CORBAベースのOrbix製品などを提供するアイオナテクノロジーズを買収。
2008 年12 月1 日は、その日本法人である日本アイオナテクノロジーズの社長にも、田上氏が就任した。「会社の中に、市場で実績ある製品を持った3 つの事業部ができあがったのではなく、3 社統合で本当の意味でのリストラクチャリング(再構築)が行われました」(田上氏)。
従来は、3 社の製品は市場で評価され、それぞれ導入実績には高いものがあった。ただし、とくに日本市場では個別製品ベンダーとしての認知がなされ、トータルなSOAソリューションを提供するベンダーの域には達してはいなかった。
それが、3 社の融合により幅広い製品ラインナップが整い、レガシーシステムとの連携を含め、トータルなSOAソリューションを提供できる体制が整ったと、田上氏は語る。
「たとえば、Salesforce.com のデータをローカルのシステムで読み込めない課題があったとします。これはデータ連携の問題であり、現場担当者は何らかのSOAツールを導入し解決したいと思う。とはいえ、経営者層からするとSalesforce.comのデータが読めないだけで、なぜこんなに高い費用がかかるのだという話になります」(田上氏)。
個々のシステム連携だけでは、その製品がいくらSOAに対応していたとしても、上記のような認識を持たれかねない。SOAの本質は、企業全体のシステムをつなぐことであり、それにより全社規模で効率化を促すことだ。そして、全体がつながることで、さまざまなものが新たに見えてくる。
「システムが連携し、いろいろ見えてくれば、どの部署が最もシステムを活用しているのか、さらにはどのサービスが一番使われているかといった、ビジネスの流れが見えてきます」(田上氏)。それにより、さらに再利用性を高めビジネスの効率化を図るといったことが可能となり、それこそがSOAの効果であると、田上氏は指摘する。