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Oracleが考える、デジタル変革時代にDBAが「やるべき仕事」


 Oracleがいよいよ、日本でクラウドデータセンターの運用を開始した。これにより日本市場ではやっと他のクラウドベンダーと同じ土俵に立って競争できることになる。この新しいOracle Cloudの主力となるサービスが、自律型データベース・クラウドのOracle Autonomous Database Cloud だ。これには現状で、データウェアハウスやアナリティクスのワークロードに最適化されたAutonomous Data Warehouse CloudとOLTPやレポーティングなどの複数のワークロードを1つで処理するのに最適化されたAutonomous Transaction Processingの2つが用意されている。これら2つの違い、特長についてOracle Autonomous DBプロダクトマネジメント担当VPのジョージ・ランプキン氏、DB-ATPプロダクトマネジメント担当VPのアシッシュ・レイ氏に話を訊いた。

Autonomous Database Cloudには運用管理がいらず高い可用性もある

Oracle Autonomous DBプロダクトマネジメント担当VPのジョージ・ランプキン氏
Oracle Autonomous DBプロダクトマネジメント担当VPジョージ・ランプキン氏(向かって左)と、
DB-ATPプロダクトマネジメント担当VPアシッシュ・レイ氏(向かって右)

Q:Autonomous Data Warehouse Cloudの用途は明確ですが、Autonomous Transaction Processingについては複合的なワークロードに対応しているもので用途も幅広いのではと思われます。Autonomous Transaction Processingのユーザーにとってのもっとも大きなメリットはどんなところになるのでしょうか?

ランプキン氏:Autonomous Data Warehouse CloudもAutonomous Transaction Processingも、共通しているユーザーのメリットは、運用管理の必要がないことがまず挙げられます。もう1つは、高い可用性です。ユーザーが自分で管理するよりも遙かにセキュアな環境で運用できることも大きなメリットです。そしてこの2つのサービスは、開発者にとっても素晴らしいプラットフォームとなります。DBAに依頼することなしで、開発者が自ら必要なデータベースの環境を手に入れられます。その上でその環境は、開発者自身でコントロールできるのです。これらは、オンプレミスの環境とは大きく違うところです。新しいデータベースをオンプレミスでDBAに用意してもらうとなれば、ハードウェアやストレージの割り当てなど、DBAに頼んでから入手できるまでに長い時間がかかるでしょう。

 優先順位が高くないと判断されれば、数週間も待たされるかもしれません。Autonomous Transaction Processingならば、OLTPの環境でも数分もあれば準備できます。開発者は、Oracle Databaseのフルの機能をそこで利用できるのです。これは、Oracle Exadataの上で使えるものと同じです。開発者にはAutonomous Transaction Processingを使えば、Oracle Exadataの1CPUの環境から使えます。さらにそれを、必要な1時間だけ利用するといったことも可能なのです。

Q:2019年3月27日でAutonomous Data Warehouse Cloudが市場に投入されてから1年が経過しました。この1年間で、製品の完成度や顧客のAutonomous Databaseに対する理解はどのように進みましたか?

ランプキン氏:Oracle Autonomous Database Cloudの開発プロセスは、市場投入以来ずっと継続しています。Oracleでは機能が1つできあがったらそれをすぐに市場に提供するのではなく、いくつかをまとめて定期的に更新しています。このあたりは、これまでのソフトウェアの開発、提供の仕方とは少し違うところになります。継続的に機能を提供していくので、製品としてこれで完成しておしまいということはありません。たとえば、Autonomous Transaction Processingでは、先日コピーして開発環境を作る機能を追加しています。このように常に新しい機能が追加され、製品は進化し続けています。Autonomous Data Warehouse Cloudも基本的な機能は昨年リリースして、その後新しい機能を継続的に追加しています。進化し続けることが、クラウドサービスの大きな利点にもなっています。

 機能追加などは、オンラインのままパッチを適用することで行っています。パッチは基本的に2週間ごとに出ていますが、ユーザーがそのことを気にする必要はありません。これらの進化は、Oracleでは常に顧客の声を聴いて行っています。顧客の要望を、なるべく迅速に対応できるようにしています。これはOracle Databaseの顧客にとっては、極めて素晴らしいことだと考えています。その上で、毎年大きな更新もする予定です。

 Oracleとしては、できるだけ多くの顧客にAutonomous Databaseを使ってもらいたいと考えています。そのためにハンズオンの半日セミナーを実施するなど、さまざまな施策も行っています。そういった取り組みで、Autonomous Databaseの本質的な部分を理解してもらえればと考えています。技術者にはそういったことで、比較的容易にAutonomous Databaseの魅力については理解してもらえているでしょう。

 長い間、開発者にとってはITインフラの部隊との間に緊張関係がありました。それがクラウドサービスを利用することで開発に必要な環境は自分で揃えられるようになり、緊張関係は取り除かれます。開発者はアプリケーションを作り、それも自分でクラウド上の行環境にデプロイすることができます。すべての開発プロセスを自分でできるようになったことは、開発者にとって大きなメリットです。

レイ氏:Oracle Databaseを使っているのは、その多くが開発者です。Autonomous Database Cloudの登場で、開発者は自立できるようになりその世界は大きく変わっています。

Q:Autonomous Database Cloudのビジネス面でのメリットは顧客からどう捉えられていますか?

ランプキン氏:利用している顧客から話を訊けば分かりますが、既に顧客はAutonomous Database Cloudでさまざまな実績を出しています。顧客はソリューションを速く出せるようになっており、さらにはDBAが必要ないことから大幅なコストメリット削減も実現しています。またDBAが必要ないことは、アプリケーションを速いペースでデリバリーできるメリットにもつながっています。

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DBAにはやるべきことがまだまだたくさんある

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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