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データウェアハウスの会社からアナリティクスプラットフォームの会社へ──変革のTeradata

 2019年10月20日、Teradataのユーザー会が主催するカンファレンスイベント「Teradata Universe 2019」が米国コロラド州デンバーで開幕した。昨年のUniverseでは、「アナリティクスを買うのをやめ、答えを出すことに投資を」というメッセージで、アナリティクス・プラットフォーム「Teradata Vantage」を新たに発表した。今年のテーマは「FOCUS ON ANSWERS」となり、より答えを出すことに注力するものとなった。デジタルを武器に業界への新たな参入者が激しい業界破壊を起こしている。そのような状況において、勝者になるには確実に「答えを出す」ことが必要との主張だ。

Google Cloudと協業、今後はクラウドファーストで製品を提供する

Teradata Vantage概念図
Teradata Vantage概念図

 Teradata Vantage(以下、Vantage)は、データウェアハウスで実績のあるリレーショナルデータベース「Teradata Database」と、非構造化データなどを活用するための分析プラットフォーム「Teradata Aster」を統合している。

 統合するにあたり、まずはアプライアンスの環境をハードウェアとソフトウェアに分け、さらにエンジン部分とストレージも分離した。現状のVantageは、共通のストレージとなる「Vantage Data Store」の上に、SQLエンジン、機械学習エンジン、グラフ処理エンジンが載る構成となっている。

 さらに各種データソースとなるデータベースやHadoopなどと連携できるようにする「QueryGrid」の機能、既存のBIツール、RやPythonなどさまざまなオープンソース技術なども利用できるようにするオープンなAPIを備え、アナリティクスに必要なものを1つのプラットフォームとして提供する。このVantageは完全なソフトウェアとして提供され、AWS、Microsoft Azureのクラウドで動く。もちろんオンプレミスのTeradataのハードウェアでも動かすことは可能だ。

 Teradata Universeの2回目の基調講演に登壇したチーフ・レベニュー・オフィサーのスコット・ブラウン氏は「今はアナリティクスもクラウドに移行しており、Teradataも顧客にクラウドの選択肢を提供します。クラウドならば素早く簡単にアナリティクスを試すことができ、本番への移行もスムースに行えます」と主張。そして、これまでTeradataのビジネスの主力はアプライアンスだったが、今後はクラウドファーストで製品の開発、提供を行うとした。

Teradata チーフ・レベニュー・オフィサー スコット・ブラウン氏
Teradata チーフ・レベニュー・オフィサー スコット・ブラウン氏

 またクラウドに合わせたライセンスとして、従量課金型のモデルも2020年から提供する。Teradataの従量課金モデルのユニークなものの1つが、クエリー単位での課金だ。発行したクエリーの量の分だけ支払いをするのだ。さらに他にはないものとして、失敗したクエリーは除き成功したクエリー分だけを課金するモデルも予定されている。

 Teradataの既存顧客だったジョンソン・エンド・ジョンソンやエネルギー探査企業のCONCHO Researchは、既にAWSで動くVantageへの移行を行っている。またアメリカン航空、ペプシコ、米国空軍などはMicrosoft AzureのVantageに移行している。

 そして今回Teradataは、新たにGoogle Cloud PlatformでもVantageを動かせるようにすることを明らかにした。Google Cloudのソリューション・エンジニアリング担当バイスプレジデントのハマドゥ・ディア氏は「クラウドは最早コスト削減のものではありません。拡張性や安全性を求めて企業はクラウドを選択します。さらにさまざまな規制に対応するためにも、クラウドには優位性があります」と言う。

 Google Cloudではインフラをグローバルで利用できるようにしており、世界中のさまざまな地域の企業ビジネスを支えている。それはGoogle Cloudだけでなく、パートナーのエコシステムで実現している。今回Teradata VantageがGoogle Cloudに対応することで、Googleが持っているAIや機械学習、翻訳などの機能とVantageを密接に連携させ利用できるようになる。

 「TeradataとGoogle Cloudが一緒にサービスを提供することで、大きな価値を顧客に提供できるようになります」とディア氏。ブラウン氏も「Teradataはクラウドの力でデータウェアハウスからアナリティクスプラットフォームへと変革していきます」と強調。Google Cloud Platform版のVantageは、2020年に提供を予定している。

 パブリッククラウドの領域では、当初AWSに対応する3rdパーティーの製品、サービスが多かった。これはAWSのシェアが大きく、ビジネスの可能性が大きいので当然の動きだろう。その後次第にシェア2位のMicrosoft Azureとの連携ソリューションが登場している。さらにここ最近は、Google Cloudをサポートする例が増えてきている。今回のTeradataのように、完全にエンタープライズ領域を対象とする企業がGoogleと手を結ぶのは、Google Cloud自身が本格的にエンタープライズ市場をターゲットにしてきたことの現れとも捉えられる。

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Vantageのオブジェクトストレージのネイティブ対応も発表

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

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