マネジメントであっても現場解像度を大事にしたい
2019年8月末、ネット印刷サービスなどを手がけるラクスルは東証マザーズから東証一部へと市場変更した。マザーズ上場は2018年5月。急成長ぶりがうかがえる。東証一部で上場の鐘を鳴らす記念の場に、同社CTO 泉雄介さんもいた。
印刷サービスを手がけているものの、自社の印刷所は持たないラクスル。印刷はパートナーである印刷所に委託しており、同社は印刷のマッチングを行うプラットフォームを提供している。印刷業界にシェアリングをもたらし、印刷所の稼働率向上にも寄与するほか、2017年からは物流プラットフォーム「ハコベル」も展開している。
「この仕組み、すごく面白いでしょ!」と、泉さんは目を輝かせて自社サービスのアーキテクチャを解説してくれた。技術的にもビジネス的にも魅力を感じ、ワクワクを感じながらラクスルのシステムを開発していることがうかがえる。
泉さんがラクスルに入社したのは4年前。これまで組織づくりや、インフラのAWS移行、監査・セキュリティー等を経て、ハコベルのプロダクト開発等に携わってきた。「開発は投資」という考え方のもと、エンジニアも事業にインパクトを与えられるよう、システム開発を心がけている。
最近は、CTOとしてエンジニアの組織力強化にも力を注ぐ。しかし採用面接にかける時間が増え、開発する時間が減っているのが悩みの種だという。「最近、現場の肌感覚が薄れてきているんですよね。やっぱり20%ぐらいは開発に携わらないと」。
肌感覚を取り戻すためとして、開発チームを巡り、現場のエンジニアとのペアプログラミングを申し出ているという泉さん。「GO言語の評価もしたいんですよね。現場に迷惑かけちゃうかな」と謙遜する。ラクスルでは、新しいメンバーが入社する際のオンボーディング時や、一人でだと悩むことが多い開発にペアプログラミングを用いているそうだ。